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2016.11.07 社会貢献

【公開講座】平成28年度秋期公開講座(第4回)を開催しました

 第4回の長崎国際大学公開講座が11月5日に開催されました。今回は、薬学部薬学科の太田一寿准教授が「抗菌薬・抗生物質との正しい?付き合い方」というタイトルでご講演されました。

 「抗菌薬」や「かぜ」をキーワードとする身近な講演テーマということもあり、大変多くの方にご参集いただきました。講演の冒頭では、ペストやコレラ、結核を例として、感染症と人類の戦いの歴史を解説していただきました。ペニシリンの発見に代表される抗菌薬・抗生物質の登場によって、感染症による死亡率は大きく低下するようになるのですが、それがまだ100年にも満たない最近のことであることに驚かされました。次いで、感染症に対する理解を助けるために、細胞や細菌、ウイルスのつくりに関する説明を受けました。一般の方にとっては細菌とウイルスが混同してしまう傾向がありますが、それらが異なる性質を持っていて、ウイルスには抗菌薬が作用しないことを学びました。

 講演の中盤からは、身近な感染症である「かぜ」について、その原因やかかってしまった場合の対処法を学習しました。かかりつけの病院で「念のため、抗菌薬を出しておきますね」と言われると、とても安心します。しかし、太田先生はこれを「念のため処方」と指摘し、念のため処方が行われてしまう医師側の問題点を挙げました。念のため処方は患者のことを考えた上での処方と捉えていましたが、「抗菌薬に存在する4つのリスクの合計」が「かぜに抗菌薬を処方するメリット」を遙かに上回ることにも驚かされました。

 本講演では、G7伊勢志摩サミットにおける神戸宣言や薬剤耐性(AMR)アクションプランに関する解説も受けました。耐性菌の発生メカニズム(抗菌薬の影響を受ける場合や他の細菌から耐性が移る場合)を理解することができましたので、世界中の耐性菌問題やその対策の現状についても良い学習の機会となりました。

 今回の太田先生の講演ではアンケートやクイズ等が登場し、双方向性の講演スタイルが私たちの理解を助けてくれました。答え合わせの解説の中で、内科医でもある太田先生は医師の立場からのご見解も示されたのですが、たびたび登場する「医師のあるある話」に会場は爆笑に包まれ、終始楽しく学習することができました。なかでも「医師は患者さんの言葉を待っているものです」というフレーズは特に印象的でした。太田先生の優しい誠実なお人柄が伝わった講演でした。講演の最後には参加された皆様からの質問を受けていただきまして、大変盛況な講演となりました。本日学習した内容が、今後の生活の中で大いに役立つことを期待しております。

 以上で、平成28年度後期の長崎国際大学公開講座を無事に閉講することができました。ご参加いただきましたみなさまに感謝を申し上げます。来春にも公開講座を予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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