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鎮信流と教育

鎮信流と教育

取組みの特色について


茶道文化による人間教育の実践

茶道の点前とは技術だけのものではありません。そこには、自己の内面を静かに見つめ、清らかな動作のなかでそれを表現する礼法が秘められています。品格の向上と礼儀の体得こそが、茶道が求める精神世界にほかなりません。本学では、これを教育に活用することによってホスピタリティ精神を醸成します。茶道によって、近年の日本で失われつつある「礼節ある人材」を育成し、就職活動における人間力及び社会人としての基礎力を習得できます。

茶道を通しての伝統文化理解・国際理解および地域貢献

「茶道文化」の授業を通して、学生が日本の伝統文化を「再発見」「再認識」することは、真の国際人育成に役立ちます。異文化理解の第一歩は自国文化に対する理解であり、それを欠いては国際人になることはできません。茶道は留学生が日本文化を知るための良い機会でもあり、日本人学生と留学生が共に茶道を学ぶ姿は、本学の推進する国際交流の理想像といえます。授業の一環として茶席を設け、国内外の賓客・来訪者の前で点前を披露することで、地域交流・国際交流の機会になっています。地元ゆかりの鎮信流を取り入れることで、長崎の文化・歴史に対する関心を高め、地域貢献に役立っています。これは地域に基盤を置く本学にとって大いに意義があります。

スチューデント・アシスタント制の導入

茶道文化では、教育効果を高めるためにスチューデント・アシスタント制を導入しており、茶道文化ⅠA~ⅡBの単位取得者(3・4年生および大学院生)の中から、特に熱心で技量・品格共に優れた学生を選抜し、茶道文化ⅠA~ⅡBの授業において後輩の指導に当たっています。
これらの授業補助員は成績評価や単位認定には関与しませんが、授業において教職員と学生との意思疎通を促進する上で極めて大きな役割を果たしています。(平成23年度補助員登録者数42名)

全学の組織的対応

建学の精神の核となる「ホスピタリティ」をより深く理解し、学生に伝えていくため、教職員が職務や専攻の違いを超えて、毎週「夜茶」という茶道研鑽の場を自発的に設けています。ここでは、学生と同じように点前の稽古に励みながら、文化としての茶道を体験し、そこに表される「ホスピタリティ」を学んでいます。「茶道文化」を全学あげて理解することによって、ほかの教養科目や学科専門科目でも教員と学生との距離が近づき、授業の充実にもつながっています。

「茶道文化」の履修者数・免許状

「茶道文化」は自由選択科目ですが、学生の茶道に対する関心は非常に高く、平成23(2011)年度前期は、「茶道文化ⅠA」が357名、「茶道文化ⅠB」が12名、「茶道文化ⅡA」が152名、「茶道文化ⅢA」が71名、「茶道文化ⅣA」が58名、合計650名もの学生(留学生を含む)が履修しています。また平成22(2010)年度に、鎮信流の最初の免許資格状である「初歩伝」を取得した者は125名、さらに上の「初伝」を取得した者は42名となっており、より高い段位を目指して研鑚を積んでいます。大学生活の中で希少価値のある茶道免許状の取得に結びつくことは、学生にとって大きな魅力であり、就職活動においても大いに役立っています。