2016年03月03日
松樹千年翠
「
「松の木は千年変わることなく緑を保っている」という意味で、長寿を祝うおめでたい席などでよく用いられます。しかし、この言葉には「不入時人意(時の人の意に入らず)」、つまり「世の人の注目をひくこともなく」という句が続くことに留意する必要があります。つまりこれは、人知れぬ地道な努力の重要さを説いた言葉なのです。
季節ごとに美しい花を咲かせる樹木は人の目をひきつけますが、松の木は変化に乏しく地味な存在です。しかし、断崖絶壁などの厳しい場所でもしっかりと根を張り、長い命を保つ松は、人知れぬところで力を尽くし、成長することによって鮮やかな緑の葉を保っているのです。目立たなくとも地道な努力が、長い生命力を生み出すのですね。