今日のひとこと

2016年07月16日

莫妄想


莫妄想(まくもうそう)

 無業(むごう)禅師という唐代の禅僧は、誰に対しても「莫妄想(妄想することなかれ)」と説いたと言われています。「妄想」とは、現実からかけ離れた夢想や空想にふけったり、考えても仕方のないことをあれこれと思い悩んだりすることです。つまり無業禅師は、過去や未来のことをくよくよと思い悩まず、今の修行に集中せよと言っているのです。

 私たちはさまざまな欲望を抱え、未来への不安や過ぎ去ったことへのこだわりを捨てることもできず、くよくよと思い悩みがちです。しかし済んでしまったことは仕方ありませんし、将来のことも今は分からないのです。そうであるならば、今この瞬間に生きることに集中して、自分で未来を切り拓くのだと前向きに考えるべきでしょう。