教員・研究者教員・研究紹介
吉田 達貞(よしだ たつさだ)講師
所属
薬学部 薬学科
専門分野
計算化学, 定量的構造活性相関
研究テーマ
薬物を含む生体関連分子の活性や機能発現メカニズムの原子・電子レベルによる解明
担当科目
基礎の物理学, コンピュータ基礎演習IA・IB, 統計学, 医療統計学, 宇宙と薬学, 総合演習I・II・III, 卒業研究
所属学会
日本薬学会 構造活性相関部会, 情報計算化学生物学会, 分子シミュレーション研究会
研究室
P401号室 (計算創薬学研究室)
連絡先
TEL/FAX: 0956-20-5709
tyoshida
URL
プロフィール
2003年3月 徳島大学薬学部薬学科 卒業
2003年6月 薬剤師免許取得
2005年3月 徳島大学大学院薬学研究科薬品科学専攻博士前期課程 修了
2008年3月 徳島大学大学院薬科学教育部創薬科学専攻博士後期課程 修了 (博士 (薬学))
2008年4月 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 助教
2015年4月 徳島大学大学院医歯薬学研究部 助教 (改組に伴う組織名の変更)
2018年4月 長崎国際大学薬学部 講師 (現職)
研究紹介
研究紹介
コンピュータを用いた理論・計算化学や定量的構造活性相関解析を基軸にし, 原子・電子レベルの微視的な物理化学の視点から, 創薬プロセスを効率的に支援するための新しい論理的手法の提案を目指しています。
新しい分散力相互作用エネルギーの評価法の提案
薬物とタンパク質間の結合に働く分散力を精密に制御することは, 薬物の分子設計を行う上で重要です。しかし, 分散力は弱い相互作用であるため, そのエネルギーを分子科学計算により定量的に算出するためには膨大な計算時間を要します。計算精度・時間の両面から, 生体巨大分子に対しても実用的なレベルで分散力エネルギーを評価可能な方法の考案に取り組んでいます。
シトクロムP450による薬物の代謝部位の非経験的予測
近年の医薬品開発の中止理由の約40%が薬物動態の問題に由来していることを鑑みても, 開発早期の段階で候補化合物の代謝物や代謝安定性を評価し, その結果に基づいた化合物構造の展開を行うことが望まれます。ヒトにおける主要薬物代謝酵素のシトクロームP450を解析対象として, なぜ薬物の特定の部位のみが代謝されるのかを分子科学計算を用いて検討しています。
研究活動
原著論文 (2015-)
- T. Matsumoto, T. Kitagawa, T. Ohta, T. Yoshida, D. Imahori, S. Teo, H. S. bin Ahmad, T. Watanabe. Structures of Triterpenoids from the Leaves of Lansium Domesticum. Journal of Natural Medicines, vol. 73 (4), 727−734 (2019). [DOI: 10.1007/s11418-019-01319-2]
- M. Ishikawa, S. Hirai, T. Yoshida, N. Shibuya, S. Hama, Y. Takahashi, T. Fukuta, T. Tanaka, S. Hosoi, K. Kogure. Carotenoid Stereochemistry Affects Antioxidative Activity of Liposomes Co-encapsulating Astaxanthin and Tocotrienol. Chemical & Pharmaceutical Bulletin, vol. 66 (7), 714−720 (2018). [DOI: 10.1248/cpb.c18-00035]
- T. Yoshida, T. Hayashi, A. Mashima, K. Sasahara, H. Chuman. A Simple and Efficient Dispersion Correction to the Hartree–Fock Theory (3): A Comprehensive Performance Comparison of HF-Dtq with MP2 and DFT-Ds. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, vol.26 (2), 589−593 (2016). [DOI: 10.1016/j.bmcl.2015.11.061]
- K. Sasahara, A. Mashima, T. Yoshida, H. Chuman. Molecular Dynamics and Density Functional Studies on the Metabolic Selectivity of Antipsychotic Thioridazine by Cytochrome P450 2D6: Connection with Crystallographic and Metabolic Results. Bioorganic & Medicinal Chemistry, vol.23 (17), 5459−5465 (2015). [DOI: 10.1016/j.bmc.2015.07.043]
- T. Yoshida, T. Hayashi, A. Mashima, H. Chuman. A Simple and Efficient Dispersion Correction to the Hartree–Fock Theory (2): Incorporation of a Geometrical Correction for the Basis Set Superposition Error. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, vol.25 (19), 4179−4184 (2015). [DOI: 10.1016/j.bmcl.2015.08.008]
- Y. Tamura, H. Miyagawa, T. Yoshida, H. Chuman. Binding Interaction of SGLT with Sugar and Thiosugar by the Molecular Dynamics Simulation. Biochimica et Biopysica Acta: Biomembranes, vol.1848 (11), 2799−2804 (2015). [DOI: 10.1016/j.bbamem.2015.08.001]
- M. M. Rahman, T. Hirokawa, D. Tsuji, J. Tsukimoto, S. Hitaoka, T. Yoshida, H. Chuman, K. Itoh. Novel pH-dependent Regulation of Human Cytosolic Sialidase 2 (NEU2) Activities by Siastatin B and Structural Prediction of NEU2/Siastatin B Complex. Biochemistry and Biophysics Reports, vol.4, 234−242 (2015). [DOI: 10.1016/j.bbrep.2015.09.017]
学会発表等
【代表として発表したもの, 2015-】
- T. Yoshida, N. Oka, H. Tanaka, M. Takeuchi. Computational investigation of binding interaction energy between protein and ligand using a new dispersion corrected Hartree–Fock approach, CJK2018 (2018 China-Japan-Korea symposium on Analytical Chemistry) (Zhangzhou, Dec. 2018)
- 吉田達貞. 分子科学計算を用いたCYPによる基質の代謝部位選択性の解析, 理化学研究所生命研究センター (QBiC) セミナー (大阪, 2018年3月)
- 吉田達貞, 岡尚生, 谷山萌, 西村兆二朗. リガンド−タンパク質複合体の分散力相互作用の検討: Hartree-Fock理論に対する分散力補正 (2), 第30回分子シミュレーション討論会 (大阪, 2016年11~12月)
- 吉田達貞. 理論・計算化学を基軸とした新しい定量的構造活性相関解析, 触媒開発への応用を目指したインフォマティックス研究会 (福岡, 2016年7月)
- 吉田 達貞, 林敬久, 笹原克則, 馬島彬, 中馬寛. リガンド−タンパク質複合体の分散力相互作用の検討: Hartree-Fock理論に対する分散力補正, 第29回分子シミュレーション討論会 (新潟, 2015年11~12月)
【共同研究者として発表したもの, 2015-】
国際学会: 8, 国内学会: 35
受賞
- 2018年7月: 第24回中国四国支部分析化学若手セミナー 優秀ポスター賞 分子科学計算によるFK506結合タンパク質とリガンドとの分子間相互作用解析 (受賞者: 岡尚生, 竹内政樹, 田中秀治, 吉田達貞)
- 2014年1月: 日本薬学会構造活性相関部会 2013年度SAR Presentation Award
- 2009年6月: 日本薬学会構造活性相関部会 2009年度SAR Promotion Award
科研費・競争的資金
- 令和元年度 学長裁量経費:大学間連携研究 凝集誘起発光性を基軸とする新規機能分子の開発と応用展開 (代表)
- 平成30年度 学長裁量経費:科研費チャレンジ 薬物-タンパク質間の分散相互作用の精密解析 (代表)
- 平成25~27年度 科学研究費補助金・基盤研究 (C) (分担)
- 平成23~25年度 科学研究費補助金・若手研究 (B) (代表)
- 平成22~26年度 農林水産省 アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト (分担)
共同(受託)研究
Endo酵素による糖鎖認識の分子論的観点からの相互作用解析, 株式会社伏見製薬所, 平成27年度
社会活動
各種委員・役員等
学外:
日本薬学会構造活性相関部会 幹事 (2011年4月-)
学内:
IRセンター委員, 教育基盤センター委員, CAI運用・活用委員, 薬学教育支援センター委員, 入学前・初年次教育委員,
教育活動
非常勤講師
徳島大学薬学部(H30年度)