教員・研究者教員・研究紹介
針塚 緑樹(はりづか のりき)助教
所属
人間社会学部 社会福祉学科
専門分野
臨床心理学
研究テーマ
破局的な心配に関する実証的な研究、発達障害・運動障害のある子どもや家族の支援に関する研究
担当科目
心理学(薬・健康栄養)
所属学会
日本心理臨床学会、日本リハビリテイション心理学会、日本臨床動作学会、日本臨床心理劇学会、日本認知療法・認知行動療法学会
研究室
研究棟204研究室
連絡先
URL
プロフィール
私は大学院博士後期課程在籍中から,精神科病院やクリニック、発達支援センターや大学学生相談室などにおいて公認心理師/臨床心理士として働いてきました。その経験のなかで、カウンセリングで語られる心配や否定的な思考について関心を持ち,最悪なことを考える心配の破局化や否定的思考に至るメカニズムやプロセスについて研究し,さらに援助方法や介入方法についても研究を行ってきました。また,発達障がいや運動機能障害を有する障がいをもつ子どもを育てる保護者に対する臨床心理学的援助の実践や研究にも取り組んできました。
さまざまな心身の疾患を抱える人に対して,感情や思考,また個人の特性といった個人内要因だけでなく周囲の人や環境を含めて包括的に理解し、疾患や障がいを抱える人やその家族がより良く生きるための支援や援助に取り組んでいきたいと考えています。
研究紹介
破局的な心配に関する実証的な研究
否定的な思考の1つに思考の破局化があります。思考の破局化は、「こうなったらどうしよう?」という疑問を考え続け,自身にとって最悪の状況をイメージ,想起する思考のことです。否定的な心配として,反すうについては認知療法,認知行動療法で数多く研究されてきたが,思考の破局化や心配の破局化に関する実証的研究は多くありません。そこで,私は日常生活においては誰しも「こうなったらどうしよう?」と心配することから,最悪の状況を想起するような心配の破局化について尺度作成や心理支援の介入研究に取り組んでいます。
発達障害・運動障害のある子どもや家族の支援に関する研究
発達障害児を対象としたグループセラピーの「親の会」では,対象児の発達特性や生活年齢に応じて保護者の理解が異なるため,保護者への伝え方における工夫と配慮が求められます。また,肢体不自由などの運動障害を有する子どもにおいても、本人のみならず子どもを支える保護者への支援が非常に重要です。セラピストは保護者のみならず子ども本人についても理解した上で,「親の会」という集団場面や個別場面でアセスメントしながら,臨機応変に関わることが求められます。私は発達障害児を対象としたグループセラピーの「親の会」や個別的な保護者支援を行っています。
社会活動
社会活動
- 2023年 九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員
- 2021年~2022年 九州大学大学院人間環境学研究院学術研究員
- 2018年~2022年 九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センターにおける集団心理療法におけるスーパービジョン
- 2017年~2020年 基山町就学前5歳児早期支援プログラムにおける心理検査実施
- 2017年~2020年 基山町就学前5歳児早期支援プログラムにおける心理検査実施
- 福岡市発達教育センターにおけるスクリーニングおよびアセスメントのための受理面接の実施
- 2015年~2023年 社会福祉法人夜須高原福祉村「やすらぎ荘」主催 動作法による障がい児・者への心理リハビリテイション活動の実践
- 2016年~2023年 九州大学大学院人間環境学府附属総合臨床心理センターにおける相談活動
教育活動
非常勤講師
- 2020年~2021年 香蘭女子短期大学 発達心理学Ⅲ
- 2021年 精華女子短期大学 対人魅力の心理学
- 2022年 中村学園大学短期大学 障害児保育,特別支援教育基礎
研究実績
原著論文
- 「長崎国際大学における全学生を対象としたスクリーニング調査の意義と今後の展望-CCAPS-iQASの導入をふまえて-」長崎国際大学論叢 共著(2024)
- 大学生のストレスコーピングの列記と共有の体験の効果 九州大学総合臨床心理研究 第14巻 共著(2023)
- 破局的な心配における個別性と共通点と機能性に関する検討 九州大学総合臨床心理研究 第13巻 共著(2022)
- 心配特性尺度の作成の試みと破局的心配と抑うつ気分との関連 九州大学心理学研究 第23巻 共著(2022)
- COVID-19禍における心配と本来感,セルフ・コンパッションとの関連 九州大学 特選題目研究論文(2019)
- 発達支援における「親の会」活動の試み―思春期女児の母親のグループプロセス― 九州大学総合臨床心理研究 第12巻 共著(2021)
- 発達支援における「親の会」活動の試み―プログラムの試みと保護者の反応― 九州大学総合臨床心理研究 第12巻 共著(2021)
- 破局的思考が精神的健康に与える影響―機能性に着目して― 九州大学修士論文(2018)
- 脳性麻痺幼児への遊びの文脈を生かした動作法の導入 九州大学総合臨床心理研究 第9巻 共著(2018)
- 否定的思考様式尺度を用いた大学生の「破局的思考」の検討―自尊感情との関連から― 九州大学心理学研究 第19巻 共著(2018)
- 大学生における否定的思考様式尺度の作成と思考パターンとの関連について―場面想定法を用いた「破局的思考」の検討― 九州大学総合臨床心理研究 第8巻 共著(2017)
研究発表
- 背反らせ課題において焦点化される身体部位の違いが肢体不自由者の動作体験に及ぼす影響 日本リハビリテイション心理学会第42回山形大会 共同(2016)
- ドラマに託された肢体不自由児者のイメージの世界 日本臨床心理劇学会第45回大分大会 共同(2020)
- 発達支援における「親の会」活動の試み①―プログラムの試みと保護者の反応― 日日本心理臨床学会第39回秋季大会 共同(2020)
- 発達支援における「親の会」活動の試み②-思春期女児の母親のグループプロセス― 日本心理臨床学会第39回秋季大会 共同(2020)