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薬学部薬学科

研究紹介タンパク質を宇宙空間で結晶化!?

国際宇宙ステーション(ISS)と日本実験棟

 長崎国際大学薬学部では、赤血球の主要な膜蛋白質であるバンド3蛋白質(=Anion Exchanger 1(しばしば、AE1と略されている)の研究を行っています。バンド3蛋白質は、赤血球膜の陰イオン(Cl-HCO3-)の交換を行い、ヘモグロビンや炭酸脱水酵素と協調して組織が必要としている酸素量を検出し身体中のあらゆる組織に適切な量の酸素を供給するための重要な役割を果たしています。バンド3蛋白質は生命維持に必須の蛋白質です。我々は、このバンド3蛋白質の立体構造を明らかにすることで、生命の必須な現象の分子機序を解明し、さらに、呼吸・循環機能不全に対する薬物開発を目標にして研究を続けています。昨年は、バンド3蛋白質の立体構造を、電子顕微鏡を用いた方法で7.5Åの解像力で解明することができ英国の科学雑誌(J. Mol. Biol. (2010) 397, 179-189)に公表しております(理化学研究所との共同研究)。

 また、現在、X線を用いた方法でも構造解析を行っており(京都大学との共同研究)、より高い解像力での構造解析結果を近々公表できる状態になっております。

 

 このような研究の一環として、宇宙における微小重力(重力がほとんどゼロ)の環境を利用してバンド3蛋白質の立体構造解析実験も試みています。2009年に宇宙開発事業団(JAXA)の実験として採用され、これまでに国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」で二回の実験を行い

ました(第一回実験:平成2223日打ち上げ、62日回収;第二回実験:平成22910日打ち上げ、1130日回収)。これらの宇宙実験の結果では、地上実験以上の成果はまだ得られておりませんが、宇宙での高品質蛋白質の結晶生成を目指し、今年(平成23)も「きぼう」での宇宙実験を継続してゆく予定であり、現在、実験計画を申請中です。

 

 宇宙ステーション「きぼう」での立体構造解析実験が成功すれば、世界初の画期的な研究になり、長崎国際大学薬学部にとっても、“希望(きぼう)” に溢れる研究で是非とも成功させたいと日夜努力しているところです。

 

 

 

プロジェクトメンバー


濱崎 直孝 教授(研究代表者・臨床検査学研究室)

岡村  良 教授(宇宙薬学研究室)

山口 泰史 教授(医薬品化学研究室)

隈  博幸 講師(臨床検査学研究室)


他大学・機関より 4名参加

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