研究紹介薬理学研究室
教員名(内線) | 教授:西奥 剛(3790) 講師:縄田 陽子(3778) |
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研究テーマ |
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研究紹介 |
大脳白質病変形成機構の解明大脳白質は、神経細胞の軸索とこれを覆うミエリン(髄鞘)から構成されています。軸索のミエリン化は、神経伝達速度の高速化に寄与しており、脳の高次機能に深くかかわっています。そのため脱髄による大脳白質病変は、認知障害や運動障害、言語障害など多彩な神経症状を示します。大脳白質病変の形成機構を明らかにすることで、多発性硬化症や脳血管性認知症の治療薬の開発を目指し研究を行っています。 関節リウマチ病態形成機構の解明関節リウマチの薬物治療において、生物学的製剤による分子標的治療の導入は、疾患活動性と関節破壊の制御を可能とし、関節リウマチ治療に新展開をもたらしました。しかし、生物学的製剤は、優れた有効性の反面、安全性や投与経路の問題、また高額な治療費のためすべての患者において夢の薬というわけではありません。関節リウマチの新規病態分子機構を明らかにし、生物学的製剤と同等の有効性を示す経口投与可能な新規低分子抗リウマチ薬の開発を目指し研究を行っています。 脳内エンドカンナビノイドの機能解明に関する研究マリファナ(大麻)は誰もが知っている違法薬物ですが、わたしたちの脳では「エンドカンナビノイド」と呼ばれる大麻に類似する物質が作られています。これまでの研究からエンドカンナビノイドは痛みや空腹感、吐き気の調節などに関わることが明らかにされています。当研究室では、未だ明らかにされていないエンドカンナビノイドの神経・精神系の機能を解明し、薬物依存症を中心とした精神疾患治療への応用を目指しています。 -薬物依存症におけるエンドカンナビノイドの関与- やめたいと思ってもやめられない依存症。覚せい剤・コカインやモルヒネなどの依存性薬物は脳の報酬系という神経回路を長期的に変化させ“依存脳”に変えてしまうのです。この変化は薬の使用を中断しても簡単には戻りません。このため薬物依存症患者は長期にわたり薬を求める強い渇望感に悩まされることになります。これまでの研究成果から、この依存脳に陥る機構、中でも渇望が起こる機構にエンドカンナビノイドが関わっているのではないかと考えています。 |