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スタッフブログ

2023年01月27日

「松芳忌」-九州文化学園創設者 安部芳雄先生追悼献茶式-


 一般的に、亡くなった方を供養するために一周忌や三回忌、七回忌などの法要を行いますが、茶道では亡くなった方を偲ぶためにご供養の茶会が開催されることがあります。例を挙げますと、侘茶を大成された千利休を偲ぶ「利休忌」や鎮信流の流祖である松浦鎮信公(天祥)を偲ぶ「鎮信公忌」などがあります。ご供養の茶会は、今日まで連綿と受け継がれてきた「茶」について考える大切な一つの区切りでもあります。

 茶道文化の授業では、九州文化学園の創設者であり、地元に所縁のある鎮信流を用いて学生への茶道文化教育を始められた、安部芳雄先生を追悼する「松芳忌」を毎年行っています。「松芳(しょうほう)」とは、芳雄先生の茶人としての名前です。松芳忌では、先生の遺徳を偲び、そのご功績に触れることで、長崎国際大学で茶道文化を学ぶ意義を学生たちに考えてもらいます。

 式は、ご遺影への礼拝から始まり、安部直樹理事長のご挨拶、動画による松芳先生の経歴紹介、献茶式、祭壇への礼拝、嶋内教授のご挨拶で終了しました。

安部理事長の挨拶
嶋内教授の挨拶
松芳先生の経歴紹介
祭壇への礼拝
献茶式の様子①
献茶式の様子②

 

 献茶式は茶道文化Ⅰ・ⅡでSA(Student Assistant)をしている3年生と4年生が持ち回りで奉仕し、松芳先生にお茶とお菓子が捧げられました。

 式典後、学生は各班に分かれ、供養や不祝儀袋について説明を受け、各自自服にてお茶とお菓子をいただきました。

点て出しの様子

 学生たちには、これからも先人たちが残してきたものに思いを巡らし、これらの教えを次世代に受け継いでいくことの大切さを茶道文化の授業を通して、学び続けてほしいと願っています。


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2023年01月20日

「初釜」~新年最初の授業を終えて~


 初釜とは「正月を迎えたことを祝い、新年に初めて釜をかけること」を言い、茶道では毎年の行事のひとつで、その年のお稽古を始める日でもあります。
 茶道文化では新年最初の授業にて1年生から4年生まで、それぞれのクラスで初釜を執り行いました。新年を迎えての新たな気持ちが学生たちのスーツ姿に表れていました。特に1年生は、初めての体験ということもあり、いつも違う茶室の雰囲気に驚きながら入室していました。

初釜の床の間飾り

 さて授業では、始めに安部理事長より新年の挨拶があり、初釜の説明やどんど焼き、もぐら打ちなどのお正月に関わる内容、その場(行事)に相応しい身なりについての話がありました。
 その後、代表学生である補助員(Student Assistant)が点前を行い、年神様へお茶をお供えし、一同で拝礼をしました。
 次に、嶋内先生からお正月や鏡開きなどについての講義がありました。昨今は、自宅に畳や床の間がなく、学生に問いかけると「お正月飾りをしていない」という声もありました。そのため、学生は興味深く講義の内容を聞き、「しめ縄や門松を飾る理由」や「お年玉の由来」、「鏡開きの意味」などを学んでいました。
 そして、鎮信流の床飾りについても説明があり、縁起の良いものやその云われなどにも理解を深めている様子が見受けられました。
 最後は、各グループに分かれて点て出しを行い学友と共に新年最初のお茶を楽しく味わっていました。また、学生たちはお祝い事の際に使用する祝儀袋について各担当者や補助員から説明を聞き、とても有意義な時間となったようです。

代表学生による点前
年神様へ拝礼
嶋内先生による講義
床飾りの説明

 授業後の学生のレポートからは、このようなコメントが寄せられました。

 「初めて自分は初釜を拝見しましたが、献茶をする姿を見て自分が習って来た事が入っていたり初めて見たものもありましたが、とてもかっこよくて自分もできるようになりたいと思いました。」(国際観光学科1年生)
「門松やしめ飾りなどの正月飾りも意味など考えず、お正月だからという理由で何となく飾っていましたが、それぞれしっかり意味があることを学んで、勉強になりました。」(社会福祉学科1年生)
「私たちが何気なく過ごす正月には先人たちの様々な願いや文化が関わっていることを知りもっと大切に過ごしたいと思いました。」(健康栄養学科1年生)
 「(理事長の話を聞いて)モグラ打ちの話が出てきて保育園で毎年モグラ打ちをしていたことを思い出して懐かしく思った。」(薬学科1年生)

 学生たちには、茶道を通して日本の伝統や風習に目を向け、ひとつひとつ学び、次の世代に継承していくことを願っています。