2012年09月24日
茶道文化Ⅳ正午の茶事 その舞台裏をレポート!
前回、お茶会の全体の流れをご紹介しましたが、
その本番を迎えるまでに学生は準備や稽古に励みます。
夏休み期間中の学生のスケジュールは正午の茶会の稽古でビッシリ…!
お客様を迎えるにあたり、準備と稽古に余念がありません。
今回は、9月31日(金)に行われたお茶会を振り返りながら
本番までの稽古の様子や当日の裏方の様子をお伝えしたいと思います。
~茶会1週間前~
当日に使用するお道具の説明を嶋内教授より受けました。
今回の茶会のテーマや道具が語る意味など説明していただきました。
メモを取りながら道具について猛勉強中!
~茶会3日前~
懐石料理班も最後の詰め。
季節や旬の食材によって、予定していた献立を変更しなくてはなりません。
懐石料理の本を見ながら、本番直前の最終調整をしました。
懐石料理担当の先生と打ち合わせ
~本番前日~
茶室の様子をのぞくと、学生はいるはずなのに茶室は静まり返っていました。
点前を担当する亭主のみなさんは黙々と点前の練習に打ち込んでいました。
「客の前で失敗はしないだろうか…」「美味しいお茶を出せるだろうか…」
様々な不安要素を少しでも取り除くため、先生に最後の確認をして頂き、本番に備えます。
亭主は濃茶の練り具合を最終チェック!
~茶会当日~
そして迎えた本番。
何が起こるかわからないのが本番ですから、学生の表情も少し不安そうな様子。
お客様をお迎えする亭主の中でもトップバッターは露地担当の学生。
役割を控えた学生は緊張の面持ち…じっと出番を待ちます。
緊張するのは学生だけではありません。それを見守る先生方も毎回ドキドキです。
特に茶席に客として入られる嶋内教授はいつも目の前で起こる出来事を
手に汗握る様子でじっと見守っています。
お客様として炭点前の風炉の中を拝見する嶋内教授。
「上手く火がついているかな…?」
「あら…?この小さな火種から火が熾るかな…?」
「よし!これはうまくいった!」
内心はいつも、色々な思いで溢れています。
また、今回のお茶会では面白い写真が撮れました。何をしている様子かわかりますか??
襖一枚挟んで右側が茶席の様子、そして左側が裏の様子。
すぐそこで点前をしているのですが、裏で控える指導者は
茶会の様子を直接見ることができません。
学生を信じて、裏でじっと成功を祈るのみ。この緊張感、伝わりますか…?
そうこうしているうちに、茶会が終了。
よく、「準備8割本番2割」と言われますが、まさにその通り。
数カ月も前から練習に取り組んだのに、茶会はあっという間に終わりました。
茶会を終えた学生は緊張がとれ、この解放感。
本番の凛々しい姿はどこへ…?きっとどこかにスイッチがあるのでしょう。
4回続いた茶道文化Ⅳのお茶会も9月7日と9月23日の班を残すのみ!
その模様はまたご報告します♪今度はどのようなドラマが待っているのでしょう…?
2012年09月07日
茶道文化Ⅳ 正午の茶会 Vol.3
前回に引き続き、茶道文化Ⅳ茶会の報告を致します(^^ゞ
8月18日(土)に正午の茶会が行われました。
❏直前の練習風景
お茶会が始まる前に、学生同士でお茶の出し方の最終確認をしています。
❏草履の準備
お客様に出す草履は、綺麗に重ねて置きましょう!
❏懐石料理
懐石料理の盛りつけ方は、一つ一つ丁寧にすること!
そして、形が崩れないようにお汁を注がないといけません!
上手に盛りつけが出来ていますでしょうか?
↓↓↓
本日の椀盛は、澄まし仕立て海老真薯(えびしんじょう)です。
お碗の蓋を開けた時に、柚子の香りがほのかに香ってとても美味しそうでした。
❏懐石のお運び
懐石膳を運ぶのは、一つ一つ運び方が異なり、覚えるのに一苦労だったようですが、今では自然に受け渡しが出来るようになりました。
❏接待をする学生達
お客様の前でも笑顔が出せるように、練習!練習!
❏薄茶のお運び
お茶を出す姿は、先程の様子とはまた違って凛々しくみえます。
❏道具を拝見している様子
濃茶席で使用した茶入や茶杓を、お客様が拝見をしている様子です。
拝見に出された道具は、一つずつ自分の前に置き、拝見をするようになります。
❏花の名前の紹介
最後に、お客様から花の名前を尋ねられ、学生達は一つ一つ、花と花入の名前を説明しました。お客様から「こんなに沢山のお花を集めていただき、感謝致します」とお礼の言葉をいただきました。
お盆明けての茶会で、直前の練習がままならないこともありましたが、亭主・客・接待・料理を担当した学生達がそれぞれに、この茶会を目標に練習を積み重ねたお陰で成功できたと思います。
花の名前も一人で覚えるのは大変ですが、みんなで覚えたので最後に慌てずにお客様に伝えることができました。この茶会を通して、みんなで協力し合う事の大切さを身に付けられたと思います。
2012年09月03日
茶道文化Ⅳ 正午の茶会 Vol.2
前回に引き続き、茶道文化Ⅳ正午の茶会のレポートをしたいと思います。
8月10日(金)に正午の茶会を行いました。
学生達は、茶会の日程が決まったらその茶会本番に向けて、準備を進めて行きます。
しかし、準備出来ない事が一つだけあります。
それは・・・
花です。
花は、事前に準備していても枯れてしまうので、茶会の前日に花を入れます。
なので、茶会当日に名前を覚えないといけないのです。
❏花の名前を暗記中!
今回、寄付の部屋に吉野屏風を置き、花を飾りました。学生達は、花の名前を覚えるのに必死です!
❏花と花入の紹介
❏寄付
寄付では、暑い最中きて来て頂いたお客様にまず、ぐい飲みに冷たい水をお出ししました。
寄付は、亭主と客が初めて顔を合わせるので、お互いに緊張の面持ちですね。
❏炭点前
炭点前の時に使用する香合は、「ほおずき」を使いました。「ほおづき」は、お盆の飾りでよく見られると思いますが、この意味を学生達は気付いていたかな?
❏濃茶点前
濃茶点前は、茶会の中で一番の見せ場です。日々の特訓の成果が試される時です!
❏薄茶点前
薄茶点前が始まる前に、干菓子を出します。
干菓子器は、「屋形舟」です。この舟の中に干菓子が入っています。
いったい、どんなお菓子が入っていたのでしょうか????
❏拝見の様子
毎日暑い日が続きますが、暦の上ではすでに秋です。季節の先取りで、木地の鈴虫の棗を使いました。
❏全員集合
お客様と学生全員で、最後の挨拶です。
お客様は、たくさんの学生がこの茶会に関わっていることを知って、「こんなにいらっしゃったんですか?」と尋ねられました。
この正午の茶会は、学生にとって初めての茶会となります。学生一人一人の力がこの茶会を支えています。「チームワーク力や責任感の大切さ」など、この茶会が人生でも、大変貴重な時間であることは間違いないと思います。