
2025年06月13日
「茶道と音楽の融合」薬学科6年生が心を整える茶席体験
令和7年6月11日(火)、長崎国際大学薬学科の6年生を対象とした「ホスピタリティ演習Ⅳ」の授業で、「茶道と音楽の融合」をテーマにした茶席体験が行われました。会場となった1101教室には、薬学科の学生101名と学内の教職員が集い、静かで温かなひとときを共有しました。


この授業では、先週の講義で学んだ茶道鎮信流の礼法や客作法を踏まえ、実際に茶席を体験します。
教室の舞台には、「直心是道場」の短冊が掛けられ、白磁の花入には和蘭海芋の花が生けられました。平戸の海にオランダ船がやってくる情景が浮かばれ、季節感と歴史を感じる設えが、教室の中に優しい緊張感をもたらしていました。お菓子には、地元平戸の「牛蒡餅(ごぼうもち)」が用意され、郷土と文化に触れることができました。


今回の茶席では、珍しい楽器「リュート」の音色に合わせて点前が披露され、学生たちは目で見て、耳で聴いて、心で感じる、癒しの時間を過ごしました。静けさの中に漂う音と所作の美しさに、会場全体が穏やかな空気に包まれていきました。


点前で使われた道具の紹介では、嶋内先生から、それぞれの道具に込めた思いや、道具を通して伝えたいメッセージについて語られました。「何か一つでも学生の心に残る茶席になりますように」との願いとともに、「相手の立場に立って考えられる、ホスピタリティにあふれた薬剤師になってほしい」と、温かな言葉で締めくくられました。


学生たちにとって、日々の学びとは少し違う角度から“おもてなしの心”に触れる、貴重な体験となりました。

2025年05月15日
【茶道文化がつなぐ縁】卒業生と在校生の交流、お茶室でほっと一息
春の風が心地よく吹く午後、本学の茶室「自明堂」に、懐かしい顔が帰ってきました。
茶道文化Ⅳまで履修し、在学中はアーチェリー部でも活躍していた卒業生と空手部だった学友が、お茶室を訪ね、近況報告に立ち寄ってくれました。
彼女らは学生時代、茶道の授業を通じて作法だけでなく、思いやりや礼節を学び、共に活動した仲間です。卒業後はそれぞれの道を歩んでいますが、この日、自明堂で再び顔を合わせたことで、自然と笑みがこぼれ、懐かしい思い出話に花が咲きました。
さらに嬉しいことに、現在茶道文化を履修中の在校生であり、同じくアーチェリー部に所属する学生たちとも交流の時間が設けられました。卒業生は、在校生に向けて「茶道で培った礼儀や心配りは、社会に出てから本当に役立つ」と実体験を交えて語り、在校生も真剣なまなざしで耳を傾けていました。
その後、皆で写真撮影。世代は違えども、お茶室では自然な形で交流の場となり、和やかで温かいひと時となりました。
「お茶室は、ただ点前をする場所ではなく、人と人の心を結ぶ場所でもある」そんなことを改めて実感させてくれる、かけがえのない時間でした。
これからも長崎国際大学の茶道文化は、在学生・卒業生・地域の方々をつなぐ“縁の道”として、多くの出会いと学びの場を育んでいきます。


2025年03月18日
令和7年度 春季補助員研修会
3月になり、本学でも先日、卒業式が執り行われ、多くの学生が学び舎を後にしました。春休みで静まり返ったキャンパスでは、新年度に向けての準備が進んでいます。もちろん「茶道文化」も4月に入学する新入生を迎えるために、春季補助員研修会を3月5日(月)から3月11日(火)にかけて5日間行いました。
本学では、「茶道文化ⅠA・ⅠB」と「茶道文化ⅡA・ⅡB」の授業に補助員(SA)を配置しています。「茶道文化」の補助員は、教職員と同様に少人数グループを1班担当し、点前や客作法などを教えています。そのため、鎮信流の正しい型を身につけることや、履修学生との接し方、言葉遣いなどに注意しなければなりません。それらを学ぶ場として、この研修会は開催されています。
そこで、今回は、春季補助員研修会の様子をご紹介したいと思います。
まずは、研修会の準備です。新規の補助員は、先輩の補助員から水屋での準備の仕方を教えてもらいながら、一緒に準備をしていきます。


そして、次は禅語の説明です。毎回、学生が担当して研修会の軸を選び、その意味や選んだ理由などを全員に説明します。禅語の意味を自分なり解釈し、説明することに難しさを感じていましたが、しっかり話すことができていました。

それから、研修会の内容に入ります。研修会では、割り稽古や薄茶点前、客作法などを改めて確認していきます。また、その中でグループワーク形式で、学生役と補助員役に分かれて実践的な指導の場面を作り、話し方や組み立て方を学んでいます。さらに、審査会として、点前確認を一人一人行い、個別にフィードバックをして鎮信流の正しい型を確認していました。




令和7年度は22名の学生を補助員として任用していきます。その学生の出発式を4月2日に行います。それぞれが目標としている自分像を目指して、補助員活動を取り組んでもらいたいと思います。
そして、多くの新入生が「茶道文化の授業を受けて良かった」と思ってもらえるよう、茶道文化に関わる全教職員、補助員学生が力を合わせて新年度も頑張っていきます!

2024年08月21日
上海大学社会学院短期研修 茶道体験
2024年8月1日(木)に上海大学社会学院の学生17名が、本学での短期研修の一環として、茶室「自明堂」にて茶道について学びました。
今回の茶道体験では、茶道文化の補助員をしている学生7名もサポートに携わりました。上海大学の学生へ日本の文化を伝える目的で、日本の礼法に関する講義・茶道体験を実施しました。
はじめに、嶋内教授より本学で取り入れている茶道鎮信流のことやお茶室でのマナー、日本の礼法などについて、通訳を交えながら講義が行われました。

その後、鎮信流の礼法である双手礼・爪甲礼、茶席体験で必要となる客作法「床の間の拝見」や、「お菓子の取り方」「お茶の飲み方」について、サポート学生が身振り手振りを交えながら説明に実践しました。言葉の壁もありましたが、上海大学の学生は上手に作法を行っていました。


茶席体験では「茶道文化ⅢA」を履修している学生が亭主を務め、茶室の前方と後方の二ヶ所で、お点前を披露しました。上海大学の学生は、安部理事長よりお点前の説明をうけ、集中して点前を見入っていました。


今回は夏らしく、ガラスの水指や平茶碗が使われ、上海大学の学生は「緑陰」と銘がついた主菓子と一緒に一服のお茶を楽しくいただいていました。サポート学生も緊張しながらお茶とお菓子を出していました。




茶道体験終了後は修了式が行われ、全員で記念撮影を行いました。


本学のサポート学生は、初めてこのような体験に携わり、学び多き経験をさせていただきました。終了後に、学生たちより以下のような感想がありました。
〈参加した学生からのコメント〉
交流することで世界に少しでも茶道という日本文化を伝えることができるので、今後もこのような機会を設けていくべきだと思った。お抹茶は、それぞれで好みがあるようでしたが、お菓子はおいしくいただいている様子でした。(社会福祉学科3年生)
言葉が通じなくても茶道を通してコミュニケーションがとれ、よい経験になりました。(社会福祉学科3年生)
言葉が伝わらなくても、身振り手振りや、心と心で通じ合えることがわかりました!(国際観光学科3年生)
お菓子の取り方のレクチャーの際、楽しそうに学んでくれていてよかった。お茶もお菓子もおいしそうにいただいてくれていてうれしかったです。(国際観光学科3年生)
上海大学の学生と有意義な時間を過ごすことができ、茶道を知っていただけたことがとてもうれしく思います。また、本学学生の学びの場ともなりました。本学学生が、様々な体験を通し、茶道で学んだ事を社会に出て活かせていけるように頑張ってほしいです。

2024年02月02日
エコール・オテリエール・ド・ローザンヌ(EHL)からのお客様へ茶席体験
令和6年1月31日、茶室「自明堂」にて、エコール・オテリエール・ド・ローザンヌ(以下、EHL)から来学されたBao Chen氏、JB Breguerand氏、Mayumi Jones氏に茶席体験を行いました。
EHLは、スイスのローザンヌにある世界を代表するホスピタリティの学校で、英国の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ(QS)」による大学ランキング(ホスピタリティ&レジャー経営大学部門)で2020年、2021年と2年連続で世界1位を獲得しています。
茶道は季節を大切にし、お客様をおもてなし(ホスピタリティ)するテーマを道具で表現します。日本では、もうすぐ節分、立春を迎え、各地で雛飾りが行われますので、今回は桃の節句をテーマに設えを整えました。
茶室の玄関では、三人官女がお迎えをし、雛祭りに合わせたBGMを準備しました。そして床の間には、「春徳風」の軸に男雛と女雛を飾り、脇に桃の花を生けました。お菓子も「福梅」と「如月」というお菓子を用意し、お客様にお好きな方をお取りいただくようにしました。


茶席は立礼式で、本学で取り入れている鎮信流茶道を表現するために、平戸藩の御用窯である平戸焼(三川内焼)の水指を用いました。通訳を介しながらでしたが、茶道のおもてなしをお伝えすることができたのではないかと思います。


お客様からは「茶道はメディテーション(瞑想)するもので、静かにしていなければならないと思っていた」と驚かれていましたが、お客様(相手)を見て、状況に合わせながら応じることをお話すると、大変納得されている様子でした。
また、今回、亭主やお運びを務めるのは茶道文化を履修している学生で、2年生が中心となり対応に当たりました。このような茶席体験に携わるのは初めての学生ばかりでしたが、日頃の授業の成果を存分に発揮してくれていました。これからも、様々な場面で学生が活躍できる機会を提供していきたいと思います。
