学部学科トピックス
【国際観光学科】県立佐世保商業高等学校で出張講義「カンボジアで出会った日本人」
2010年2月17日、佐世保商業高等学校国際コミュニケーション科2年生の39人の皆さんを対象に、「カンボジアで出会った日本人」というテーマで出張講義をしました。本学の国際観光学科では毎年、佐世保商業高校の国際コミュニケーション科で出張講義をしています。今回は平成21年度の最終回(第8回)でした。
カンボジアの内戦が終わってから、すでに30年近く経ちます。しかし、例えば教育の機会や経済的に自立できるようになる機会に一定の制限があるというように、内戦の影響は今でも見られます。
今日の講義では、このようなカンボジアで活動している日本人2人を紹介しました。どちらも講師が昨年出会った人たちです。
一人は旅行会社を経営していますが、この会社では、一般の観光旅行に加え、主に若い世代の日本人を対象に、カンボジアの子どもたちに「笑ってもらい、元気になってもらう」ことを通じて教育の基礎づくりを手伝う短期旅行を提供しています。事前の勉強や練習があるので、普通の観光旅行よりは大変です。しかし準備を入念に行う分、地元の人たちとの交流から自分が学べることがたくさんあるそうです。
もう一人は、地元産の材料を使ったカンボジアならではのクッキーなどを製造・販売する製菓会社を経営しています。店頭では社員が流ちょうな日本語で販売しています。この会社は、カンボジアの若い世代の人たち、とりわけ女性たちが経済的に自立できるようになってもらうことを目的としています。どちらのケースも、自己犠牲ではなく、いわば社会起業家として活動していることも特徴です。
佐世保商業高等学校国際コミュニケーション科の皆さんは、授業中の講師からの問いかけにも積極的に答えてくれました。さらには、「カンボジアの人たちのために自分でもできることをさがしたい」とか、「ほかの国でも日本人がどんな活動をしているかを知りたい」といった感想を述べてくれました。
外国の人たちの生き方に関心を持つと、日本で暮らす私たち自身の生き方について理解が深まったり、考え直したりするきっかけになります。外国で活動する日本人について関心を持つのも同じです。これからも、外国のことや外国で暮らす日本人に関心を持ち続けてくださいと述べて、今日の出張講義を締めくくりました。
(人間社会学部国際観光学科 滝 知則)