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2023.11.25 薬学科

【薬学科】別府美鈴さん(薬学科・医療薬学研究室5年)が第40回日本薬学会九州山口支部大会において優秀発表賞を受賞しました!

 薬学科・医療薬学研究室(大磯茂教授、大久保伸哉講師、中島健輔助教)の別府美鈴さんが、令和5年11月18~19日に開催された第40回日本薬学会九州山口支部大会において、「新規抗うつ薬シーズの発見を目指した南西諸島カンキツ未利用部位のBDNF産生促進効果の検討」というタイトルでポスター発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。

 神経細胞の新生・成長を担う脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor: BDNF)という脳内のタンパクの低下がうつ病の進展と関係性があることが知られています。本研究では、BDNF産生能を有する末梢組織由来の培養細胞を用いて、シークワシャーに代表される多くの南西諸島カンキツの未利用部位のBDNF産生促進効果を明らかとしました。

 BDNFは脳内だけでなく末梢組織でも産生され、血液脳関門を介して脳内に移行することが知られています。うつ病のような中枢性疾患に対する薬剤開発では、薬物の脳内移行性の問題により開発がうまくいかない事例が多くみられますが、本研究で見出されたカンキツ未利用部位は、末梢組織に由来する細胞のBDNF産生を促進しており、生体内においても末梢組織におけるBDNF産生を促進させる可能性があります。末梢組織において産生促進されたBDNFは脳内に移行してうつ病の改善効果を示すと考えられることから、本研究で見出されたカンキツ未利用部位は、末梢組織を作用点とする新たな抗うつ薬の開発につながることが期待されます。さらに本研究は、通常は廃棄されるカンキツ未利用資源の有効活用法を提示しており、食品廃棄物の削減にも貢献できると考えられます。

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