学部学科トピックス
【薬学科】「微小核による自然免疫の活性化」特別講演会のお知らせ
演題「微小核による自然免疫の活性化」
Innate immunity signalling and micronucleus
講演者
高木 亨 Tohru Takaki, Ph.D.
所属
フランシスクリック研究所 The Francis Crick Institute, London, UK.
日時
令和7年9月16日(火)10時30分〜11時15分
対象
どなたでも参加いただけます。学部生・大学院生の参加を歓迎します。
会場
長崎国際大学 薬学部6号館 1階 6104教室
要旨
多くのがん細胞は細胞核に加えて微小核を持つ。この微小核は染色体不安定性や細胞分裂の異常によって引き起こされることが知られている。最近、微小核がcGAS-STING経路を介して自然免疫経路を活性化し、免疫細胞によるがん細胞へ攻撃を引き起こすことが報告された (1、2) 。自然免疫は細菌やウィルスなどの病原菌の細胞内への侵入を防ぐ機構である。cGAS-STING経路は2本鎖DNAにより活性化され、インターフェロン等のサイトカインの発現を誘導し、免疫細胞を活性化することが知られている。
今回我々は、様々な方法により微小核に含まれる2本鎖DNAはcGAS-STING経路を活性化しないという結果を得た (3)。我々の結果と同様に、Satoらは微小核がcGAS-STING経路を活性化しないことを報告している (4)。これらの結果は以前の報告と異なっており、現在提唱されている微小核によるcGAS-STING経路の活性化にさらなる議論を引き起こす結果である。
【参考文献】
(1)Mackenzie, K.J. et al. (2017) Nature 548, 461-465
(2)Harding, S.M. et al. (2017) Nature 548, 466-470
(3)Takaki, T. et al. (2024) Mol. Cell 84, 2203-2213
(4)Sato, Y. and Hayashi, M. (2024) Life Sci. Alliance Vol.7 Issue 4
参加申込
当日参加可能ですが、日本薬学会への参加者名簿の提出のため、参加申し込みフォーム にご記入ください。
当日の記帳が不要となります。
申し込みフォームはこちら
フォーム記入締切
令和7年9月15日(月)17時
参加費
不要
「微小核による自然免疫の活性化」要旨PDF
日本薬学会九州山口支部講演会要旨ダウンロード[PDF](229KB)
主催:日本薬学会九州山口支部