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【大学院】中島健輔さんが 平成28年度物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会”にて「優秀口頭発表賞」を受賞しました。

 本大学院薬学研究科医療薬学専攻:中島健輔助手(博士課程3年・薬物治療設計学大講座:研究指導担当教員:仮屋薗博子教授)は平成28年11月26、27日の両日、福岡大学セミナーハウス(福岡市中央区六本松)で開催された“平成28年度物理化学インターカレッジセミナー兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会”にて講演題名「活性型グレリン産生抑制作用を有する天然化合物の探索」の口頭発表を行い、厳正な審査の結果「優秀口頭発表賞」に輝きました。
 これを機に、当大学院一期生の士気を上げ、今後益々研究に精進され、目標に向かって素晴らしい成果が得られることを念じております。
 なお今回の学会は日本油化学会の科研費の援助により、2名の外人講師:Kwanwoo Shin教授(Sogang University, Korea), Chien-Hsiang Chang教授(National Cheng Kung University, Taiwan)を招いて活発な議論が繰り広げられました。

右:日本油化学会 理事 日本油化学会界面科学部会九州支部長 柴田 攻 
左:中島 健輔 助手


 

演題名:「活性型グレリン産生抑制作用を有する天然化合物の探索」

 現在の日本人の肥満の割合は男性で約3割、女性で約2割となっており、男性では30年前に比べておよそ1.5倍となっています。肥満は糖尿病、脂質異常症および高血圧などの生活習慣病の原因となるだけでなく、ガンの発症リスクをも上昇させると言われています。
 肥満の主な原因は食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取です。我々は、グレリンという食欲を促進するホルモンに着目し、このホルモンの産生を抑え、食欲を低下させる物質の探索を行ってきました。
 今回の研究では、緑茶の成分であるエピガロカテキン没食子酸、長崎県の特産品でもあるビワに多く含まれているウルソール酸およびコロソリン酸、さらに多くの漢方薬に含まれているグリチルレチン酸が、細胞レベルでグレリンの産生を抑制することを見出しました。この結果から我々が普段、摂取する飲食物中にも食欲を抑制する可能性のある物質が含まれていることが分かりました。
今後は、今回の研究で細胞においてグレリンの産生抑制作用が明確になった物質をマウスなどに投与し、動物におけるグレリン産生抑制作用および抗肥満効果の検討を行います。我々の最終目標は、食欲を抑制し、肥満の予防・改善に有用なサプリメントおよび薬剤の開発へと展開していきたいと考えています。

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