学生生活トピックス
2020.11.17
【地域文化研究会】西海市西海町横瀬郷での発掘調査
令和2年9月13日(土)・14日(日)および10月18日(日)~11月15日(日)にかけて、西海市西海町横瀬郷(横瀬浦)での発掘調査を実施しました。横瀬浦は、平戸に続いてポルトガル船が来港し、当時の横瀬浦は大村純忠庇護のもと貿易港として栄えた地域です。ルイス・フロイスの『日本史』や、西海町が編纂した『西海郷土誌』には中世末に焼き討ちにあったとの記述があり、一夜にして灰燼に帰したとされていますが、具体的な痕跡について証明する物的資料は確認できていません。今回は、横瀬郷の地域史の把握を目的に、発掘調査の方法を用いて調査を実施しました。
本調査では、当該地域における中世末期の遺構の確認を目的とし、2m×2mの範囲で発掘しました。調査の工程は以下の通りです。
今回の調査は、落合教授、中島助教引率のもと、大学院生2名、国際観光学科の4年生4名、3年生6名、2年生3名が参加しました。調査の結果、ピットと呼ばれる穴状の遺構3基、陶磁器60点、石材・石製品16点が出土しました。遺跡の時代は不詳ですが、出土した遺物の多くは江戸時代のものであり、少なくとも江戸時代まで遡ることができると考えられます。
本調査では、横瀬郷の地域住民の方々に多大なご支援、ご協力をいただき、円滑に調査を実施することができました。今後は整理作業を実施し、これらの成果を基に当該遺跡の性格や位置づけを把握していきます。そして、調査成果を発掘調査報告書の形で地域に還元できるよう、作業を進めていきたいと思います。
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