平成24年5月26日（土）、本年度、第1回目の公開講座は、「福祉とまちづくり　～新しい支えあいづくりへの取り組み～」のテーマで始まりました。人間社会学部社会福祉学科教授の西山裕（にしやま・ゆたか）先生が講師です。
　本年度も、本講座には、沢山の市民の方々が登録・参加をされました。資料にマーカーを引き、メモを取り、時折、大きくうなずく受講生の姿が多数みられて、講座への関心の高さと熱心さが伝わってきました。
　西山先生は、近年の「無縁社会」と言われるような、社会的繋がりの希薄化の問題に対応していくには、福祉活動によりインフォーマルサービス（家族や友人、自治会等が自発的に提供するサービス）を再構築し、人々の支え合いによる地域づくりを進めていくことが重要であると指摘されました。そして、そうした取組みを展開している北海道、熊本、滋賀の各地域に、実際に足を運び、収集された情報をもとに、具体的に紹介されました。
　後半では、大村中央商店街と同市にあるＮＰＯ法人が障害者事業所等とともに展開している若い人たちのアイデアによるまちづくりや、長崎市内の企業が行っている障がい者の雇用の取り組みなど、本県における元気な地域や福祉拠点についての紹介がありました。
　西山先生は、「失敗を諦めずに何度もトライしてきたことが成功につながっている。また、自分の思いだけでは成功しない。地域や利用者のニーズに即した事業展開が大切だ」と強調され、今後の福祉とまちづくりへのかかわり方として大変示唆に富む講義でした。

　次回講座は、6月2日（土）、林俊介講師（健康管理学部健康栄養学科）による「健康管理のための食生活改善～バランスの良い食べ方を考えよう！～」です。

　報告：地域振興委員会　柳詰慎一