薬学科生化学研究室の野嶽勇一講師が、平成24年度の「日本食生活学会奨励賞」を受賞しました。食を介した健康増進・疾病予防を命題とした「ヒト常在乳酸菌生産物質の生理活性解明研究」に対する表彰で、昨年度の日本農芸化学会西日本支部会奨励賞に続く受賞となりました。

野嶽講師の所属する生化学研究室では、「おなかと肌にやさしい、からだにやさしい研究」と題して、ヒトの常在乳酸菌の複合培養から調製した豆乳の乳酸菌生産物質が示す多様な有用作用を解析しています。これまでに、乳酸菌生産物質がガン細胞の増殖や肝障害に対して有効なことを明らかにし、アレルギーの軽減やアンチエイジングに対する効果についてもその作用機序の解明を図っています。また、最近では、自分の肌から採取した美肌菌を利用した新しいタイプのオーダーメード型基礎化粧品の開発を目指した独創的な研究にも取り組んでいます。

今回の受賞に対して野嶽講師は、「現在の社会的な健康ブームの中、腸内細菌や腸管免疫等の重要性が広く知られるようになりました。乳酸菌生産物質はこれらを好ましい状態に制御する"バイオジェニックス"としての魅力に溢れ、最も脚光を浴びている食品の一つです。乳酸菌生産物質を介した予防医学への貢献を目標に、今後も情熱を持って真摯な姿勢で研究に取り組んでいきたいと思います。これまでご指導・ご支援いただきました方々に心より深く感謝申し上げます。」と受賞の喜びと今後の抱負を語りました。

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