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2012.11.12 薬学科

【薬学科】宇都 拓洋 助教が平成24年度「日本薬学会 生薬天然物部会 奨励研究賞」を受賞!!

 薬学部薬品資源学研究室《教授:正山 征洋(しょうやま ゆきひろ)》の宇都 拓洋(うと たくひろ)助教が、平成24年度の「日本薬学会 生薬天然物部会 奨励研究賞」を受賞しました。

 正山教授及び宇都助教らの研究グループは、天然化合物に対するモノクローナル抗体を用いて生薬成分の機能解析研究を行っています。今回の宇都助教の受賞は、天然化合物の新規機能解析法である「ノックアウトエキスを利用した生薬成分の機能解析」に対する表彰です。

1. 受賞研究の概要
1) 受賞研究テーマ
  「ノックアウトエキスを利用した生薬成分の機能解析」


2) 「ノックアウトエキス」とは
 生薬や漢方薬は、非常に多くの天然化合物を含む多成分薬物です。そのため、複数の生薬成分が相互にもしくは相乗的に作用している可能性があります。しかしながら、これまでの技術では生薬エキスから特定の成分のみを除去することは困難でした。今回受賞対象となった研究により、生薬エキス中の特定の成分を選択的かつ効率的に除去したエキス(「ノックアウトエキス」と命名)を作ることが可能になりました。
 ノックアウトエキスを利用し細胞や動物レベルで薬理作用を解析することで、これまで解析が難しかった生薬エキス中の特定の成分と他成分間の相互・相乗効果や有効成分の潜在的な機能解析が可能になりました。
 現段階で、ノックアウトエキスを用いた機能解析は、生薬や漢方薬中の特定の成分とエキス中の他成分との相互・相乗効果を解析する唯一の方法と考えられます。


【図】ノックアウトエキスのイメージ

 

3)今回の研究の特徴

 宇都助教が所属する薬品資源学研究室では、生薬や漢方薬の品質管理、高品質な薬用植物の育種、伝統生薬からの有効成分の単離・同定、天然化合物の作用機構解明など多彩な研究が行われています。また、国内外の研究機関との共同研究も盛んに行われており、アジア・アフリカ諸国との国際連携プロジェクトは特に注目されています。
 今回表彰された「ノックアウトエキスを利用した生薬成分の機能解析」は、天然物由来の有効成分の新しい評価手法の提案を行ったもので、今回の応募にあたっては甘草(カンゾウ)をモデル研究とした成果が報告されています。
 甘草の主要薬効成分はグリチルリチンであることが知られています。甘草エキス中のグリチルリチンの作用を解き明かすために、甘草エキス、グリチルリチン、グリチルリチンを含まないグリチルリチン-ノックアウト甘草エキスの抗炎症作用を比較しました。
 グリチルリチン-ノックアウト甘草エキスを用いた解析により、グリチルリチンは甘草に含まれるグリチルリチン以外の成分と共存することで最大の効果を発揮でき、グリチルリチンが他成分と相乗効果を生みだしていることが分かりました。

4)本研究の将来性
 天然化合物の研究においては、含有成分がどのように働くのかを解明することが非常に重要です。本研究手法により、天然化合物の相互の働きや相乗効果について、より詳細に把握できるようになることが期待されます。
 今回の受賞研究の技術を応用することで、漢方薬エキスから1成分を除去したシングルノックアウト漢方や2成分を除去したダブルノックアウト漢方の調製が可能です。ノックアウト漢方の利用により漢方薬の機能解析への応用も期待されています。
 本研究の発展研究のひとつとして、現在、天然化合物に対する特異的なモノクローナル抗体を用いて、天然化合物の細胞や組織内での挙動や標的分子の特定を行っています。

2. 日本薬学会生薬天然物部会及び奨励研究賞について
 公益社団法人 日本薬学会は、「くすり」に関係する研究者や技術者が、学術上の情報交換を行い、学術文化の発展を目的とする学術団体です。新しい医薬品の開発・製造、安全性の確認、臨床への供給など薬を使ってさまざまな病気を克服するという目的のもと、2万人を超える会員の情報源として機能しています。
 同学会は10部会を有しており、生薬天然物部会は、天然の恵みをよく理解し生活の中に生かすために、その有用な働きを科学的に実証し、正しい情報提供をして行くことを目的としています。
 生薬天然物部会奨励研究賞は、生薬天然物領域の研究を積極的に推進することを目的として、若手研究者による研究活動の向上のために優秀な将来性のある研究者としての名誉を顕彰するために平成22年に創設されました。九州では初の受賞となります。

3. 受賞教員コメント
「近年の健康ブームや予防医学への関心の高まりから、生薬・漢方薬や機能性食品が注目され、天然化合物の機能解析研究が盛んに行われています。分子レベルでの解析技術の向上などにより、天然化合物の詳細な作用機構の解明が国内外の研究グループにより進められていますが、天然物特有の複雑で広い作用機序のために解明されていない問題がたくさんあります。今回の受賞を励みとして、より高いレベルでの天然化合物機能性研究を行い、国内外にアピールしていきたいと考えています」

 


 

 ■ 薬品資源学研究室

 ■ 教員データベース:宇都拓洋 助教

 ■ 公益社団法人 日本薬学会(外部リンク)

 ■ 日本薬学会 生薬天然物部会(外部リンク)

 

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