学術研究トピックス
2012.11.13
【薬学科】正山征洋教授が「2012年度 西日本文化賞」を受賞
西日本新聞社が毎年「文化の日」に贈る「西日本文化賞」を、本学の正山 征洋(しょうやま ゆきひろ)教授が受賞しました。この賞は西日本地域の文化の発展と向上に貢献された方々の業績を顕彰する目的で1940年に創設された賞で、「天然薬物の分析法を開発し、現代社会に欠かすことのできない漢方薬の品質安定、適正使用に寄与した功績」に対して、正山教授は学術文化部門で表彰されました。
正山教授は、薬用植物の育種研究に1960年代末から着手し、幻覚成分が全く入っていない大麻草を佐賀県で発見し、その大麻草を利用して繊維質に富む「無毒大麻 とちぎしろ」の品種育成に成功し、薬用植物の適正使用に力を尽くされました。その後の研究では大麻の幻覚成分テトラヒドロカンナビノールの植物内での生合成経路を世界で初めて解明し、大麻成分に植物細胞や動物細胞の細胞死を促すことを発見し、大麻草が雑草や虫に強い理由を科学的に明らかにしました。
また、正山教授は、漢方薬の原料生薬の品質評価のための成分分析法「イースタンブロット法」を開発したパイオニアでもあり、30種類以上の生薬成分に対するモノクローナル抗体を次々に世界に先駆けて作製し、免疫化学的測定法を生薬成分の分析法へ応用してきました。天然香料の分析など、生活に密着した研究を続けています。
正山教授は、「社会に還元できる研究をしたい。課題は尽きません。」と語っており、生涯をかけ、生薬学研究に打ち込んでいます。
■教員データベース:正山 征洋
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