学術研究トピックス
【薬学科】2013年日中韓分析化学シンポジウム(10周年記念式典)の開催報告
去る8月23日および24日、福岡の九州大学医学部百年講堂にて日中韓分析研究交流会(CJK2013)が盛大に開催されました。日本で開催された過去2回は会場が幕張メッセでしたが、今回はASIANALYSIS XIIの1シンポジウムとして、初めて地方(九州)での開催となりました。また、この日中韓分析研究交流会は2002年から始まり今回で10回目を迎え、記念すべき大会でもありました。
CJK関係者は、中国22名、韓国14名、日本約50名の総数90名程で、発表もプレナリー講演6件、招待講演19件、一般講演11件、ポスター発表25件と多く、分析化学と分離分析を取り巻く応用分析など分析化学全般にわたる話題についての非常に有益な情報交換の場になったかと思います。
23日夕方からの博多湾クルーズにはASIANALYSIS XII参加者も併せ、総勢280名程の参加者があり、皆さん賑やかな雰囲気の中で他の参加者との親睦を深め、夜の博多湾の雰囲気を充分に楽しまれたことと思います。
24日のシンポジウム終了後は同会場にて10周年の記念式典を行いました。初めに、環境分析、FIA、GC、IC、LC各研究懇談会の委員長に挨拶をしていただき、次に7名の方々にCJK2013賞を、4名の方々にはGC研究功績賞を授与し健闘をたたえました。また、各国の代表者挨拶では、今後の発展を願う言葉や、三ヶ国の強いパートナーシップを感じさせる言葉が聞かれ、会場から盛大な拍手が送られていました。
その後、バスで福岡の会場から長崎国際大学まで移動し、10周年記念講演会が行われました。長崎国際大学薬学部・姫野勝学部長の挨拶の後、Dong-Sun Lee教授、Jin-Ming Lin教授、中村 洋教授が各国の代表としてこれまでのCJKの歴史や多数のエピソードを交え講演されました。いずれもユーモアにあふれた講演で、笑いの多い楽しい時間となりました。
その後、ハウステンボスのレストラン・トロティネで株式会社島津製作所主催の「島津ナイト」が開催され、参加者全員でビュッフェ形式の夕食を楽しむことが出来ました。長崎国際大学からも安部直樹学長をはじめ、薬学部の先生方数名が参加され、安部学長には開会時の挨拶で当大学と中国・韓国の親交についてもお話しいただきました。宴の終盤では、恒例の3国間でのお酒等の交換や抽選会が行われ、皆さん楽しいひと時を過ごされていました。島津ナイトの後には、ハウステンボスの花火大会を参加者全員で堪能する事もでき、皆様の日本での思い出のひとつになったのではないかと思います。このような楽しい会を企画された島津製作所の福島さん、星田さん、澤田さんには深くお礼を申しあげます。
非常に残念なことに、翌日の25日は大雨となり、ハウステンボス観光、九十九島遊覧、長崎市見学を断念された方もあったとのことでした。長崎は今日も大雨だったとのささやきも聞こえてきました。
さて、この会の取り組みとして、日本につながりのある中国・韓国人研究者の支援や日本への留学生派遣などがあり、共同研究を目指している研究者を中心に緊密な連絡を行い、各方面との国際交流を目指しています。10年間という継続期間の中では、日本、中国、韓国の事務局を始めとして各国関係者の大変なご苦労があったことと思っております。
長きにわたり日本事務局を担当されたGC研究懇談会の前田委員長には、アモイ大学のXi Chen教授や韓国食品研究所のJaeho Ha博士などの関係者との連携を始めとし、多大なご協力をいただいたことに、心より感謝申し上げます。
また、福岡工業大学の呉先生、岐阜大学のリム先生、島津製作所の端様には中国・韓国の方々との通訳やお世話を精力的にお手伝いいただき、心より御礼申し上げます。
最後になりましたが、今回の日中韓シンポジウムの開催にあたり、ASIANALYSIS XII代表を務められた九州大学の今坂藤太郎教授を始めASIANALYSIS事務局の財津先生、浜瀬先生、森先生および多くの先生方や学生の皆様には会場や運営サポートの面で、大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
次回のシンポジウムは2014年に中国の瀋陽で開催されることが東北大学(Northeastern University)のJianhua Wang教授からアナウンスされました。日本からも多数の参加が期待されております。
何かと到らない事が多かったと思いますが、皆様の多大なるご支援、ご協力のお陰で無事にシンポジウムが開催でき安堵しております。ありがとうございました。
今後の日中韓シンポジウムの益々の発展をお祈りし、お礼の挨拶とさせていただきます。
佐藤 博(長崎国際大学)