学術研究トピックス
2024.09.17
【薬学科】 正山特任教授による寄稿 「大麻研究の推移」 が、生薬学雑誌の 「日本生薬学会創立75周年記念特集」 に掲載されました
本学薬学科の正山征洋特任教授(名誉教授)は、薬用植物の育種研究に1960年代末から着手し、幻覚成分が全く入っていない大麻草を佐賀県で発見、その大麻草を利用して繊維質に富む 「無毒大麻 とちぎしろ」 の品種育成に成功するなど、薬用植物の適正使用に力を尽くされました。その後の研究では大麻の幻覚成分テトラヒドロカンナビノールの植物内での生合成経路を世界で初めて解明、さらに大麻成分に植物細胞や動物細胞の細胞死を促すことを発見し、大麻草が雑草や虫に強い理由を科学的に明らかにしました。
また、正山教授は、漢方薬の原料生薬の品質評価のための成分分析法を開発したパイオニアでもあり、30種類以上の生薬成分に対するモノクローナル抗体を次々に世界に先駆けて作製し、免疫化学的測定法を生薬成分の分析法へ応用してきました。
今回、正山教授のこれまでの大麻研究をまとめた寄稿 「大麻研究の推移」 が、生薬学雑誌の 「日本生薬学会創立75周年記念特集」 に掲載されました。正山教授による、大麻、オタネニンジン、サフラン等の研究に関する総説は、各種学術誌にも多く掲載されており、最近の論文を以下に紹介します。
大麻に関する研究
- 正山征洋, 大麻研究の推移 (日本生薬学会創立75周年記念特集), 生薬学雑誌, 78, 67-71, 2024.
- 正山征洋, 最近の大麻事情, FFIジャーナル, 229, 105-114, 2024.
- Taura F, Sirikantaramas A, Sakamoto S, Tanaka H, Morimoto S, Shoyama Y. Comprehensive review of cannabis including cannabinoid brain function. Medical Research Archives, 11(12), 2023.
オタネニンジンに関する研究
- Sakamoto S, Uto T, Kuchta K, Tanaka H, Shoyama Y. Anti-neurodegenerative activity of Panax ginseng , a review. Medical Research Archives, 12(7), 2024.
- 正山征洋, 薬用人参の魅力, FFIジャーナル, 228, 137-146, 2023.
サフランに関する研究
- Sugiura M, Abe K, Saito H, Ohta T, Uto T, Kito S, Aritake K, Shoyama Y. Review on pharmacological active saffron and crocin. Medical Research Archives, 11(8), 2023.
- Kito K, Shoyama Y. Brain functions of saffron and crocin: Case report and literature review. Open Journal of Clinical and Medical Case Reports, 32(9), 2119, 2023.
- Shoyama Y. Multifunctional saffron. Longhua Chines Medicine, 5(31), doi: 10.21037/lcm-22-31. 2022.
- Wang HZ, Mal Q, Kim DH, Wang DH, Shoyama Y, Yuan CS. Effects of saffron and its active constituent crocin on cancer management: a narrative review. Longhua Chinese Medicine, 5(35), doi: 10.21037/lcm-21-72. 2022.