学術研究トピックス
【薬学科】 医療情報学研究室 末廣講師らの学会発表が薬事日報に取り上げられました
日本薬剤疫学会第30回学術総会(2025年10月31日〜11月2日、東京)で本学薬学科 医療情報学研究室の末廣真理恵講師らが発表した「全国レセプトデータを用いた「かかりつけ薬剤師」制度創設前後の処方一元管理状況の比較と一元管理患者の特徴について」の内容が、日本の著名な医薬品業界専門紙である「薬事日報」の取材を受け、同紙に掲載されました「患者の一元化割合上昇−長崎国際大 末廣氏ら」
本研究は日本で初めての調剤レセプト全件を用いた調査であり、かかりつけ薬剤師指導料の算定開始によって患者や薬剤師の一元管理の意識が向上し、薬剤を一元管理することで重複投薬の防止に繋がることが明らかとなりました。
要約
2018年に「かかりつけ薬剤師」の制度が創設されたが、この制度が患者の処方箋の一元化に対して影響を与えたか実態は明らかでない。
本研究では、厚生労働省が管理提供する匿名医療保険等慣例情報データベース(NDB)の、2015年度および2018~2021年度上期の全調剤レセプトを用い、複数医療機関受診者の処方箋が単一薬局で扱われた一元化の割合、さらに患者1人あたりの平均使用薬剤数、薬局応需患者の抗不安薬、胃薬、抗炎症薬の重複患者割合を算出した。これらの数値をかかりつけ薬剤師制度施行前(2015年)と施行後(2018~2021年上期)で比較した。さらに一元化患者の年齢、性別および疾患について調査した。
かかりつけ薬剤師施行前の一元化割合は5.52%、施行後は6.73%と上昇した。1人あたりの平均使用薬剤数は7.40剤から7.04剤と減少し、重複患者割合は、抗不安薬が3.77%から3.74%、胃薬は0.35%から0.20%、抗炎症薬は7.46%から6.92%といずれも減少した。一元化患者の特徴としては高年齢、疾患としては「内分泌、栄養および代謝疾患」、「神経系の疾患」、「循環器系の疾患」が挙げられた。
薬剤を一元管理することは医療経済や患者の安全性の観点からとても有意義であるが、現状一元化割合と算定が結びついておらず、実態を把握した上での制度の見直しが必要ではないだろうか。
発表者及び共同研究者
末廣真理恵1)、宮﨑長一郎1)、安藤文彦1)、橋場元2)、井深宏和2)、豊見敦2)、渡邊大記2)、木﨑健五3)、秋吉隆治3)、宮﨑彰宣3)、井手陽一3)、室高広1)
1)長崎国際大薬、2)公益社団法人日本薬剤師会、3)一般社団法人長崎県薬剤師会












