menu

トピックス

社会連携トピックス

【ボランティア】「3月11日を佐世保で考えるin長崎国際大学」上映会 東北文化振興支援ドキュメンタリー映画「雄勝」 および講演会「被災地の現状と未来」を開催しました

3月11日を佐世保で考える

 2011年3月11日から2年がたちました。被災地と被災された人々の生活はどうなっているのだろうか。そう考えるだけでも東北につながっているかもしれません。被災地から遠い佐世保で、私たちがこれからどのような支援を続けていけるのか考え続けていきたいと思っています。
 3月2日に「3月11日を佐世保で考えるIn長崎国際大学」を開催しました。日本ユネスコ協会と長崎国際大学地域振興委員会の協力を得られました。東北文化復興支援ドキュメンタリー映画「雄勝」の上映とみずからも被災された建築家佐々木文彦氏による「被災地の現状と末来」の講演でした。
 ドキュメンタリーは雄勝の重要無形民俗文化財であった「法印神楽」の復興をめざす人々を追ったドキュメンタリーでした。復興に取り組む雄勝の人々がとても好い顔で印象的でした。インフラが進んでも人々の生活から創りだされた文化は人々が生きる上で重要な「力」となることがとてもよくわかりました。
 佐々木氏の話は、事務所や家が被災した現実、震災直後の話、住宅移転の話しなど現実をみすえた今後の被災地の問題点や復興の様子がよくわかる話でした。プレハブ住宅ではない、木の家にこだわり住宅建設を進めていくことは、少しでも被災された人々の希望と生活再生に結びつくのではないかと思う話でした。また、さまざまな人々が被災地への支援が今も続いている報告は、少し、安心した点でもありました。
 大学として被災地への支援を今後も続けていきたいと思います。被災地へのボランティアも続けたいと思います。この「3月11日を佐世保で考えるIn長崎国際大学」でわかったことは、身近な小さなことでも支援を続けていく大切さと、被災地の人々を決して孤立させてはいけないということでした。ボランティアセンターは、この貴重な経験を今年の支援活動の出発にしていきたいと思っています。

長崎国際大学ボランティアセンター
センター長 細田亜津子

 


3月11日を佐世保で考えるin長崎国際大学「被災地の現状と未来」

 講演者の佐々木文彦氏は、当時 石巻市北上町でササキ建築事務所を運営され、家族は石巻市に居住されていた。被災当日、家族は近くの避難所へ逃げ、佐々木氏は北上町の知人の家に宿泊。翌日、生々しい被災地の残骸を目にしながら3時間程歩いて帰宅すると、地上3階建てのササキ事務所は津波に襲われ倒壊していた。

 佐々木氏は、ササキ事務所が再建されている様子の写真を見ながら、この地区が地域復興の拠点なって欲しいとの強い思いを述べられた。
北上地区の9地区のうちで3地区は他権者の同意を得て高台造成が来年春には終わる予定で、自立再建への道を歩むことになる。9地区のなかで自立再建への道を歩もうとしているのは3地区しかない。
 震災によって故郷を去る人の理由は「このような怖い思いをするような土地に住みたくない」など心理的なものや職を求めてなどが多く、地区によっては地元に残る人が少なく、そのような地区ではコミュニティの崩壊が叫ばれている。
 また、地元に残るのは老人世帯が圧倒的に多く、若い世帯では仙台などの都市へ移動する人が多い。
 今後の新しいまちづくりにおいては、コミュニティの形成は欠くことはできず、市長などの悩みも若い人の流出、コミュニティの崩壊である。
 北上地区の自立再建を目指している3地区の復興計画に当たっても、「移転の話しをしよう」と呼びかけても地区民が集まらないこともあり、紆余曲折を経て新しいまちづくりの計画案がまとまった地域、いまだに復興計画書が進んでいない地域など、地域復興と云っても様々である。
 建物の保存・解体で被災地住民間の意見も分かれ、陸前高田市の市庁舎は解体され、宮古市田老地区のホテルは保存が決まった、大槌町では賛否両論あり決められずにいる。
 反対派の意見は、「3.11の辛い記憶を呼び起こしたくない」「復興いまだしの中、役場建設などに費用を使うくらいなら、復興予算に充てるべきである」などが圧倒的に多い。
 賛成派の意見は、「二度とこの災害を忘れるべきではない、後世の人達に伝えていくべきだ」などで、以上のように庁舎ひとつにしても住民の意見は対立している。
 佐々木氏によると東北復興は、3年・5年・10年の三段階で考えられ、十年はかかるという。
 被災者は毎日が見通しの立たない中、生活を送っており、物質的な支援はほとんどなくなり、東北の被災地のこともニュースでちらほら出るくらいで、このまま忘れ去られてしまうのではないかと思うことがあるそうだ。また銀行からお金は借りられるだろうかなど個々の不安は根強く、話し相手になってくれるだけでもいいので、精神的ケアをしていただければ...と結ばれました。
 佐々木氏の講演から、高台移転を3月に終わる地域、まちづくりの着工さえ出来ない地域など被災地の復興にかなり隔たりがあること、被災者の地域に対する思いが震災により分断されたこと、被災者の心の傷を癒す精神的ケアが望まれていることなどを学ぶことができ、長崎国際大学のボランティア支援の在り方に貴重な意見を頂戴した。

人間社会学部 国際観光学科
教授 安部 芳樹

 


 

 

 

PRコンテンツ
  • フォトギャラリー
  • 催事イベント情報
  • 学びの特色「茶道文化による教育」
  • 長崎国際大学ボランティアセンター
  • NIU教員DB
  • AED設置場所
  • JIHEE認証評価
  • 薬学教育第三者評価
  • 長崎国際大学同窓会
  • ibo2020
  • 古本募金
...loading