社会連携トピックス
2019.07.04
【公開講座】2019年度春季公開講座(第4回)を開催しました
6月22日(土)に2019年度の長崎国際大学春季公開講座の第4回が開催されました。
講師は本学薬学部薬学科で製剤学研究室教授の椛島力先生で、「遺伝子の話~理想的な子供を「造りたい」ですか?~」のタイトルで講演されました。2019年に中国人学者が「世界初のゲノム編集」による双子の赤ちゃんを誕生させたニュースなどを講演のテーマに取り上げ、84名の受講者は熱心に耳を傾けていました。
DNAはタンパク質を作り出す設計図です。“金庫”に貴重品を収めるように細胞の“核”にDNAが保存されていること、その中から必要な情報をコピー(RNA)する遺伝子の役割をわかりやすく例えて、話し方に工夫がなされていました。メンデルの法則のスライドでは「あ、隔世遺伝のことだ!」と日常で聞く言葉の意味を理解し、受講者が講演を楽しんでいる様子が伺えました。
科学的な内容以外にも遺伝病の患者の保険加入の制限を禁じた遺伝情報差別禁止法が米国で成立したことなど、遺伝子が法律や社会にまで影響を及ぼしていることを知れました。
DNAの二重らせんが発見されてわずか30年たらずで体外受精に成功し、近年では遺伝子を操作して造られた赤ん坊まで誕生しています。科学が発展する一方で「人としての倫理観とはなにか?」を改めて考えさせる内容の深い講演となりました。
(報告者:薬学科 藤井)
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