学術研究トピックス
2025.10.03
【薬学科】 宇都拓洋教授(薬品資源学研究室)の研究課題が「山崎香辛料振興財団 2025年度研究助成」に採択されました。
研究課題名
皮膚バリア機能に着目したアトピー性皮膚炎軽減作用を有する香辛料成分の同定と作用機序解明
研究概要
薬学部薬品資源学研究室では、天然物を基盤とした医薬品シーズの探索と、その作用機序の解析研究を行っています。アトピー性皮膚炎は、慢性的なかゆみや炎症を特徴とし、患者の生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼす疾患です。宇都教授らは、生薬エキスライブラリーを用いたスクリーニングにより、いくつかの香辛料に皮膚バリア機能の低下を改善し、アトピー性皮膚炎の発症や悪化を抑制する可能性があることを見いだしました。
本研究では、藤木 司准教授(免疫学研究室)、石原 知明講師(細胞生物薬学研究室)、北川 翔大助教(薬品資源学研究室)と共同で、香辛料によるフィラグリン発現の増加、オートファジーの促進、炎症性サイトカインの抑制といった多面的作用を解析し、有効成分の同定とその分子レベルでの作用機序解明を目指します。本研究により、香辛料の新たな生理機能を明らかにし、アトピー性皮膚炎に苦しむ患者への新しい治療選択肢の創出が期待されます。