
2012年11月12日
大心茶会 ~鎮信流発祥の地・平戸で茶席体験~
茶道文化では秋になると1年生が学外の茶会参加に出かけます。
茶席の空気を感じ、日頃学んでいる作法や茶道の知識を深め、実践する機会です。
今回は1年生が参加する数ある茶会の中から最も格式高い平戸での茶会のレポートをしたいと思います。
10月28日(日)第2回大心茶会が行われました。
大心茶会とは、我が国における禅宗と茶栽培の上に平戸の名をとどめさせた明庵栄西の遺徳をしのぶことを趣旨とし、毎年松浦史料博物館で茶道鎮信流と表千家流が席をかまえ、行われている茶会です。
大変ありがたいことに学生たちの茶券にも松浦史料博物館や復元平戸オランダ商館の無料入館券が含まれていました。
当日、
8:30 大学を出発。
1時間ほどバスに揺られ、平戸に向かいました。
10:00 無事平戸に到着。
参加した学生は総勢42名。
3つのグループに分かれて、濃茶席(鎮信流松華会)、薄茶席(表千家流同好会)、立礼薄茶席(鎮信流松清会)の3つの茶席を回りました。
濃茶席では、茶道鎮信流の御宗家様が自らおもてなしして下さいました。
いつも講義の中に登場する御宗家様が目の前にいらっしゃるということに、学生たちはとても緊張しているようでした。
「御宗家様の茶席というだけあって、格式高い厳かな感じがした」、「茶会の中で色々な話を聞くことができ、楽しかった」など、御宗家様と正客の会話を聞きながら、伝統文化・茶道の重みのようなものを感じ取ったようでした。
薄茶席では、表千家のお点前を見学し、作法の違いを学ぶことができました。
学生からは「ひとつひとつの動作が少し違って面白かった」、「鼈甲の茶杓など普段見れない道具を見ることができて、良かった」との声も聞かれました。
立礼薄茶席では、畳の上ではなく、イスに座っての茶席を体験しました。
「同じ流派でも道具の違いが色々あることを知った」、「色んな形や味のお菓子があって、普段学んでいる食物の勉強にもなった」と、驚きの多い茶席だったようです。
一日を終えて・・・
「色んな人と出会えて、茶会の雰囲気も味わえ、勉強になった」との感想もありました。
まだ半年しか茶道をしていない学生たちですが、「百聞は一見に如かず」!
学外で本物に触れるという、忘れられない貴重な体験だったようです。
秋晴れの下、茶の空気を肌で感じた1日でした。

2012年11月12日
「秋の風 吹いてただよう 茶の薫り」~観月茶会 学生の俳句より~
秋と言えばお月見の季節。
茶道文化では10月12日に毎年恒例となっている観月茶会を開催しました。
観月茶会とは、茶道文化Ⅲを履修する学生が企画運営を行う手づくりのお茶会です。
地域の方々にお越しいただき、日頃学んでいる「おもてなし」を実践します。
今年舞台に立ったのはこちらのメンバー!
中には日頃ヒップホップのダンスを踊るメンバーも!?
写真だけでは分からないですよね。
この日だけは着物を着て、おしとやかに振る舞っていました。
また、今年のお献茶は中国人留学生のデンくんが努めてくれました。
日中友好を願ってのお献茶となりました。
こちらは客席の様子です。
接待担当の学生も落ち着いてお茶を出していました。
本番まで何度も練習を重ねたので、その成果が発揮できていたようです。
最後に、茶会を終えた3年生のコメントを紹介したいと思います。
●国際観光学科3年 宮崎舞さん(司会)
お客様が笑顔で帰っていく姿を見て、とてもうれしく思い、私が幸せな気持ちになれました。普段使わない言葉を使うなど、勉強になることも多く、いつもの自分とは違う自分に慣れて面白くもあった。茶道文化Ⅲのメンバーでお茶会が出来たことを嬉しく思います。
●健康栄養学科3年 浜崎七絵さん(接待)
お客様にお茶を出す際に、出し方や歩き方、お辞儀の仕方など様々なことに気を配り、一番良いと思う方法をみんなで考え、取り入れることで、おもてなしの心やチームワークなどが身に付きました。とてもいい経験になりました。
学生にとっては大変貴重な機会になったようです。
今回ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

2012年09月24日
茶道文化Ⅳ正午の茶事 その舞台裏をレポート!
前回、お茶会の全体の流れをご紹介しましたが、
その本番を迎えるまでに学生は準備や稽古に励みます。
夏休み期間中の学生のスケジュールは正午の茶会の稽古でビッシリ…!
お客様を迎えるにあたり、準備と稽古に余念がありません。
今回は、9月31日(金)に行われたお茶会を振り返りながら
本番までの稽古の様子や当日の裏方の様子をお伝えしたいと思います。
~茶会1週間前~
当日に使用するお道具の説明を嶋内教授より受けました。
今回の茶会のテーマや道具が語る意味など説明していただきました。
メモを取りながら道具について猛勉強中!
~茶会3日前~
懐石料理班も最後の詰め。
季節や旬の食材によって、予定していた献立を変更しなくてはなりません。
懐石料理の本を見ながら、本番直前の最終調整をしました。
懐石料理担当の先生と打ち合わせ
~本番前日~
茶室の様子をのぞくと、学生はいるはずなのに茶室は静まり返っていました。
点前を担当する亭主のみなさんは黙々と点前の練習に打ち込んでいました。
「客の前で失敗はしないだろうか…」「美味しいお茶を出せるだろうか…」
様々な不安要素を少しでも取り除くため、先生に最後の確認をして頂き、本番に備えます。
亭主は濃茶の練り具合を最終チェック!
~茶会当日~
そして迎えた本番。
何が起こるかわからないのが本番ですから、学生の表情も少し不安そうな様子。
お客様をお迎えする亭主の中でもトップバッターは露地担当の学生。
役割を控えた学生は緊張の面持ち…じっと出番を待ちます。
緊張するのは学生だけではありません。それを見守る先生方も毎回ドキドキです。
特に茶席に客として入られる嶋内教授はいつも目の前で起こる出来事を
手に汗握る様子でじっと見守っています。
お客様として炭点前の風炉の中を拝見する嶋内教授。
「上手く火がついているかな…?」
「あら…?この小さな火種から火が熾るかな…?」
「よし!これはうまくいった!」
内心はいつも、色々な思いで溢れています。
また、今回のお茶会では面白い写真が撮れました。何をしている様子かわかりますか??
襖一枚挟んで右側が茶席の様子、そして左側が裏の様子。
すぐそこで点前をしているのですが、裏で控える指導者は
茶会の様子を直接見ることができません。
学生を信じて、裏でじっと成功を祈るのみ。この緊張感、伝わりますか…?
そうこうしているうちに、茶会が終了。
よく、「準備8割本番2割」と言われますが、まさにその通り。
数カ月も前から練習に取り組んだのに、茶会はあっという間に終わりました。
茶会を終えた学生は緊張がとれ、この解放感。
本番の凛々しい姿はどこへ…?きっとどこかにスイッチがあるのでしょう。
4回続いた茶道文化Ⅳのお茶会も9月7日と9月23日の班を残すのみ!
その模様はまたご報告します♪今度はどのようなドラマが待っているのでしょう…?

2012年09月07日
茶道文化Ⅳ 正午の茶会 Vol.3
前回に引き続き、茶道文化Ⅳ茶会の報告を致します(^^ゞ
8月18日(土)に正午の茶会が行われました。
❏直前の練習風景
お茶会が始まる前に、学生同士でお茶の出し方の最終確認をしています。
❏草履の準備
お客様に出す草履は、綺麗に重ねて置きましょう!
❏懐石料理
懐石料理の盛りつけ方は、一つ一つ丁寧にすること!
そして、形が崩れないようにお汁を注がないといけません!
上手に盛りつけが出来ていますでしょうか?
↓↓↓
本日の椀盛は、澄まし仕立て海老真薯(えびしんじょう)です。
お碗の蓋を開けた時に、柚子の香りがほのかに香ってとても美味しそうでした。
❏懐石のお運び
懐石膳を運ぶのは、一つ一つ運び方が異なり、覚えるのに一苦労だったようですが、今では自然に受け渡しが出来るようになりました。
❏接待をする学生達
お客様の前でも笑顔が出せるように、練習!練習!
❏薄茶のお運び
お茶を出す姿は、先程の様子とはまた違って凛々しくみえます。
❏道具を拝見している様子
濃茶席で使用した茶入や茶杓を、お客様が拝見をしている様子です。
拝見に出された道具は、一つずつ自分の前に置き、拝見をするようになります。
❏花の名前の紹介
最後に、お客様から花の名前を尋ねられ、学生達は一つ一つ、花と花入の名前を説明しました。お客様から「こんなに沢山のお花を集めていただき、感謝致します」とお礼の言葉をいただきました。
お盆明けての茶会で、直前の練習がままならないこともありましたが、亭主・客・接待・料理を担当した学生達がそれぞれに、この茶会を目標に練習を積み重ねたお陰で成功できたと思います。
花の名前も一人で覚えるのは大変ですが、みんなで覚えたので最後に慌てずにお客様に伝えることができました。この茶会を通して、みんなで協力し合う事の大切さを身に付けられたと思います。

2012年09月03日
茶道文化Ⅳ 正午の茶会 Vol.2
前回に引き続き、茶道文化Ⅳ正午の茶会のレポートをしたいと思います。
8月10日(金)に正午の茶会を行いました。
学生達は、茶会の日程が決まったらその茶会本番に向けて、準備を進めて行きます。
しかし、準備出来ない事が一つだけあります。
それは・・・
花です。
花は、事前に準備していても枯れてしまうので、茶会の前日に花を入れます。
なので、茶会当日に名前を覚えないといけないのです。
❏花の名前を暗記中!
今回、寄付の部屋に吉野屏風を置き、花を飾りました。学生達は、花の名前を覚えるのに必死です!
❏花と花入の紹介
❏寄付
寄付では、暑い最中きて来て頂いたお客様にまず、ぐい飲みに冷たい水をお出ししました。
寄付は、亭主と客が初めて顔を合わせるので、お互いに緊張の面持ちですね。
❏炭点前
炭点前の時に使用する香合は、「ほおずき」を使いました。「ほおづき」は、お盆の飾りでよく見られると思いますが、この意味を学生達は気付いていたかな?
❏濃茶点前
濃茶点前は、茶会の中で一番の見せ場です。日々の特訓の成果が試される時です!
❏薄茶点前
薄茶点前が始まる前に、干菓子を出します。
干菓子器は、「屋形舟」です。この舟の中に干菓子が入っています。
いったい、どんなお菓子が入っていたのでしょうか????
❏拝見の様子
毎日暑い日が続きますが、暦の上ではすでに秋です。季節の先取りで、木地の鈴虫の棗を使いました。
❏全員集合
お客様と学生全員で、最後の挨拶です。
お客様は、たくさんの学生がこの茶会に関わっていることを知って、「こんなにいらっしゃったんですか?」と尋ねられました。
この正午の茶会は、学生にとって初めての茶会となります。学生一人一人の力がこの茶会を支えています。「チームワーク力や責任感の大切さ」など、この茶会が人生でも、大変貴重な時間であることは間違いないと思います。