学部学科トピックス
【薬学科】 JST 「さくらサイエンスプログラム」 を実施しました ~モンゴル薬科学大学との国際科学技術交流~
長崎国際大学薬学部は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する2025年度第2回「さくらサイエンスプログラム(科学技術体験コース)」に採択され、2025年11月30日(日)から12月6日(土)までの7日間、モンゴル薬科学大学との国際科学技術交流事業を実施しました。
さくらサイエンスプログラムは、将来の社会を担う海外の優秀な若手人材を日本に短期間招へいし、日本の先端的な科学技術や研究環境、文化に触れてもらうことを目的とした国際交流事業です。本学が採択された2025年度第2回公募では、全国から253件の申請があり、そのうち74件が採択されるなど、高い競争率を経ての採択となりました。本学のプログラムは、「薬用植物資源を基盤としたモンゴルとの持続的な国際研究交流の構築」をテーマに、研究・教育・文化交流を組み合わせた総合的な科学技術交流事業として展開しました。
【1日目】 来日・佐世保へ移動
モンゴル薬科学大学の教職員および大学院生・学部生は、ウランバートルから仁川を経由して福岡空港に到着しました。到着後は本学のマイクロバスにて佐世保へ移動し、長距離移動の後はホテルで休息を取り、翌日からの本格的な交流に備えました。
【2日目】 オリエンテーション・キャンパスツアー・学術協定調印式
交流初日は、佐世保駅周辺を散策した後、大学へ移動しました。藤田薬学部長による歓迎の挨拶に続き、オリエンテーションを実施しました。本学の概要や滞在中の注意事項、交流プログラムの目的について共有した後、キャンパスツアーおよび薬学部内施設見学を行いました。教育施設や最新の研究機器に対し、招へい者は高い関心を示していました。午後には、さくらサイエンスプログラムの採択を契機として、長崎国際大学とモンゴル薬科学大学との間で学術・教育交流に関する基本協定の調印式を挙行しました。調印式では、今後の教員・学生交流や共同研究の発展に向けた期待が双方から示されました。
【3日目】 研究体験・附属薬用植物園見学
宇都拓洋教授および北川翔大助教の指導のもと、薬品資源学研究室で実施されている研究内容を中心に、各種クロマトグラフィーを用いた薬用植物由来活性成分の分離・精製、核磁気共鳴装置(NMR)および質量分析装置による天然化合物の構造決定、各種生物活性評価、作用機序解析などの研究活動を見学しました。また、附属薬用植物園を訪問し、日本の薬学教育や研究で活用されている多様な薬用植物を観察しました。植物の特徴や利用方法について意見交換が行われ、モンゴルの薬用植物との比較を通じた活発な議論が見られました。
【4日目】 講義受講・九十九島フィールドワーク
薬学部2年生を対象とした講義「生薬学Ⅱ」を受講し、天然物の生合成や医薬品開発との関係について理解を深めました。午後は、西海国立公園・九十九島地域においてフィールドワークを実施しました。九十九島ビジターセンターおよび九十九島水族館「海きらら」を訪問し、同水族館では一般見学後に、秋山仁館長およびスタッフの皆様によるバックヤードツアーを実施していただきました。普段は見ることのできない飼育現場やクラゲの繁殖設備、浄水システム、標本室の見学を通じて、日本における海洋生物飼育・研究の現場を体感する機会となりました。
【5日目】 研究体験・生薬学実習への参加 (漢方薬の調製)
午前中は、本学において実施されている他研究室の研究紹介として、藤井佑樹准教授(機能形態学研究室)および石原知明講師(細胞生物薬学研究室)より、研究成果や研究機器について説明が行われました。和やかな雰囲気の中で活発な意見交換が行われました。午後は、薬学部2年生を対象とした「生薬学実習」に参加し、葛根湯や紫雲膏などの漢方薬の調製を本学学生とともに行いました。実習を通じて漢方医学への理解を深めるとともに、本学学生とモンゴルからの招へい者との交流も一層活発となりました。
【6日目】 修了証授与・生薬学実習への参加 (生薬の鑑別)
大学での活動最終日となる6日目には、修了証授与式および意見交換会を実施しました。宇都教授より招へい者に対して修了証が授与され、あわせて本学より、季節の花をあしらった有田焼のプレートを記念品として贈呈しました。その後、前日に引き続き「生薬学実習」に参加し、日本薬局方に基づく生薬の鑑別実習に取り組みました。
【7日目】中冨記念くすり博物館見学・太宰府天満宮参拝・帰国
最終日は中冨記念くすり博物館を訪問し、日本における医薬品や漢方の歴史、薬と社会の関わりについて学びました。生薬標本や伝統的な薬づくりに用いられてきた器具類の見学を通じて、漢方が日本の文化や社会と密接に関わりながら発展してきた過程について理解を深めました。その後、日本の伝統文化や信仰への理解を深めることを目的として太宰府天満宮を参拝し、参拝後には名物の梅ヶ枝餅を味わいました。すべての交流活動を計画どおり終了し、招へい者は福岡空港から帰国の途に就きました。
まとめ
終了時に実施したアンケートでは、招へい者全員が本交流事業に対して非常に高い満足度を示しました。特に、大学および研究施設の見学、実験・研究活動への参加、講義内容、研究・教育設備の充実度、ならびに教員の指導方法が高く評価されました。本交流事業を通じて、モンゴル薬科学大学との学術・教育交流の基盤が構築され、将来的な国際共同研究に向けた相互理解と信頼関係が深化しました。
現在、モンゴルの薬用植物に着目した研究に関する協議が進められており、近日中に共同研究が開始される予定です。本学薬学部では、今後も他の海外大学との連携を視野に入れ、国際的な研究ネットワークの拡充を通じた研究力の向上を継続的に推進していきます。
謝辞
本交流事業の実施にあたり、中村学長をはじめ、国際交流委員会、関係事務局・各課、国際交流・留学生支援センターの皆様には、事業の円滑な実施および各種事務・運営面において多大なご支援を賜りました。また、九十九島水族館「海きらら」では、秋山館長およびバックヤードツアーでご案内いただいたスタッフの皆様に、貴重な体験機会の提供と丁寧なご指導を賜り、心より感謝申し上げます。ここに関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
本件に関するお問い合せ先
実施主担当者:長崎国際大学 薬学部 教授 宇都 拓洋
電話番号:0956-20-5653 e-mail:uto@niu.ac.jp












