大学院トピックス

2024.07.27

【大学院】長崎国際大との国際共同研究招待セミナートリエステ大学マルコ・ゲルドル博士二枚貝レクチンと免疫の最新研究 (2024年8月7日(水)16時 6104教室)

開催概要

演題名

『爆発的な遺伝子拡大をみせる二枚貝レクチンの最新研究』

Massive expansion and molecular diversification of lectins in bivalve mollusks.
(英語による講演、本講演は日本薬学会九州山口支部主催特別講演会としても開催します)

講演者

マルコ・ゲルドル博士 (Dr. Marco Gerdol)、トリエステ大学生命科学部准教授 (比較ゲノム学)

開催日時・会場

2024年8月7日(水) 16 - 17時
長崎国際大学薬学部6号館1階6104教室

対象

レクチン、生体防御、海産動物、イタリア、国際交流、融合研究事業などに関心のある大学院生、教員、職員 (講演者への質問は日本語で行えます)

講演内容

病原性微生物に対して二枚貝がもつ、高い生体防御と環境適応力。
抗体や白血球T細胞をもたない二枚貝がもつ特有の自然免疫。
二枚貝がもつレクチン(糖鎖結合性タンパク質)の爆発的な多様化。
同種異個体の二枚貝にみられたレクチンの構造変異とその解釈。
レクチンによる細菌感染二枚貝の回復方法。
本研究の将来展望。

紹介論文

Taxonomic distribution and molecular evolution of mytilectins. (2023)
Marine Glycomics 2.0 (Deadline for manuscript submissions: 31 Oct 2024)

講演者プロフィールと講演会の目的

　イタリア共和国を代表する海洋都市のひとつであるトリエステは、東欧スロベニアと接し、かつてオーストリア・ハンガリー帝国に統治された融合的な歴史と文化をもつ、観光と貿易で有名な港湾都市です。トリエステ大学は2024年に創立100周年を祝す歴史ある大学で、生命科学科准教授マルコ・ゲルドル博士は、海産無脊椎動物の遺伝子を次世代シーケンサーで解析し、最新の免疫機構や細菌の感染防御、進化のしくみをバイオインフォマティクスやデータサイエンスの観点から明かしています(2024年7月現在発表論文104報)。

　長崎国際大学大学院薬学研究科は、2016年以来、ゲルドル博士、横浜市立大学と研究交流を進め、10論文を国際学術雑誌へ発表してきました(2024年7月現在)。同氏は2024年、糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点 (J-GlycoNet) 支援型糖鎖共同研究の助成を受けて招へい来日し、海産動物レクチンに関する国際共同研究を長崎、岐阜(名古屋)、横浜で行います(8月2日(金)-8月22日(木))。本学へ約1週間(8/5-8/9)滞在し、九十九島水族館海きららとの海産動物共同調査、人工レクチンの開発、レクチンの分泌機構の解析など、地域の特色を活かした研究を行います(長崎国際大学受入れ代表：藤井佑樹)。本セミナーを本学とトリエステ大学との一層の研究交流の機会に役立てたいと思います。

助成

糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点(J-GlycoNet) 支援型糖鎖共同研究(探索型課題番号 FY2024 E-26 代表研究者横浜市立大学大関泰裕、研究分担者、長崎国際大学藤井佑樹、同小川由起子、受入研究者リール大学/岐阜大学 iGCORE Yann Guerardel)、科学研究費補助金基盤研究C 24K08716、23K06190、23K10950、19K06239