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【薬学科】生化学研究室の美肌菌研究が「博慈会オープンセサミ賞」を受賞

 薬学科生化学研究室の野嶽勇一准教授と戸田聡美研究員によって執筆された美肌菌の活用に関する論文に対し、一般財団法人博慈会老人病研究所より平成28年度の「博慈会オープンセサミ賞」が授与されました。

 本賞は「21世紀の医学および超高齢社会の医療システムに対して貢献しうる優秀論文」に対して授与されることから、本学における野嶽准教授と戸田研究員の研究活動が高く評価されたものと考えています(受賞論文は「未病と抗老化」誌(第25巻)に掲載されました)。

博慈会オープンセサミ賞とは

一般財団法人博慈会老人病研究所では、超高齢化社会の国家的喫緊のニーズを考慮し、次世代に向けた安心・安全を提言しています。3つのテーマ(未病の早期診断および治療に関する研究、イノベーションとしての未病ケア産業に関する研究、2035年に向けた超高齢社会における医療システムの持続に関する研究)に該当する論文の中から、「21世紀の医学および超高齢社会の医療システムに貢献しうる優秀論文」を表彰しています。

【受賞研究の概要】

1. 受賞論文テーマ

「高齢者の皮膚の保湿改善に対する美肌菌戻し法の可能性」

2. 研究の成果

皮膚常在菌の一種であるStaphylococcus epidermidisは、健やかな皮膚の形成に寄与することから、「美肌菌」と呼ばれています。これまでに野嶽准教授らは、個人の額部から単離したS. epidermidisを用いて、完全オーダーメイド型の「美肌菌基礎化粧品」の開発に成功しています。

今回の受賞論文では、美肌菌基礎化粧品の使用が高齢者の皮膚の保湿改善に対して有効であることを示しています。加齢に伴う皮膚の保湿の低下は、バリア機能の低下、キメの乱れ、老化(シワ)等の原因となります。高齢者の日常生活に美肌菌基礎化粧品に基づくスキンケアを導入した場合、皮膚の状態改善や皮膚トラブルの予防に繋がることが期待されました。

3. 受賞者コメント

生化学研究室(榊原隆三教授)と株式会社バイオジェノミクス(長崎県大村市、本多英俊代表取締役社長)との産学共同研究において開発された美肌菌基礎化粧品は、「自分の美肌菌」を「直接的に活用」した世界で初めての基礎化粧品です。

世の多くの女性が抱く「より美しくなりたい」、「健やかな肌でありたい」という気持ちに少しでも寄り添うことができれば幸いです。今後も熱意をもって真摯な姿勢で研究に取り組み、九州最“西”端の地である佐世保より、最“先”端の情報発信に努めていきたいと考えています。これまでご指導・ご支援いただきました皆様に、心より深く感謝申し上げます。

4. 研究者プロフィール

■ 野嶽 勇一 (のだけ ゆういち)

長崎国際大学薬学部生化学研究室・准教授

略歴
2000年 九州大学大学院農学研究科博士課程修了
2000年 理化学研究所播磨研究所(SPring-8)研究員
2003年 国立循環器病研究センター 研究員
2006年より 長崎国際大学薬学部生化学研究室に所属

専門分野: 生化学、機能性食品学、香粧品学、構造生物学

■ 戸田 聡美 (とだ さとみ)

長崎国際大学薬学部生化学研究室・研究員

略歴
2011年 徳島大学大学院栄養生命科学教育部人間栄養科学専攻博士前期課程修了
2011年 長崎大学大学院医歯薬総合研究科展開医療科学講座 実験助手
2012年 長崎国際大学健康管理学部健康栄養学科 助手
2015年より 長崎国際大学薬学部生化学研究室に所属

専門分野: 生化学、栄養学

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